デイサービスの看護師の配置基準とは?看護師の採用・定着のための方策についても解説
公開日: 2025.02.04
更新日: 2025.04.10

デイサービスの運営に関わっているまたは興味を持っている方は、デイサービスの看護師の配置基準を知っておくべきでしょう。
デイサービスの利用定員によっては、看護師を必ず配置しなければいけません。しかし、看護師の採用にはコストがかかり経営を圧迫する場合があります。そのため、費用を抑えつつ看護師を確保する方法を知りたい経営者や人事部、採用担当の方は多いでしょう。
本記事では、デイサービスの看護師の配置基準や看護師配置によって生じる課題と解決策、さらに質の高い看護師を確保し定着させる方法について解説します。
デイサービスの看護師の配置基準を知りたい方や、コストを抑えつつ看護師を配置したい方は、ぜひ参考にしてください。
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デイサービスにおける看護師配置の規定と抱える課題

デイサービスでは看護師の配置基準が設けられています。デイサービスにおける看護師配置について、下記2つにわけて解説します。
- デイサービスにおける看護師配置の法律と規定
- デイサービスにおける看護師配置に関する課題
それぞれ詳しくみていきましょう。
デイサービスにおける看護師配置の法律と規定
デイサービスの看護師配置について、厚生労働省によって下記のように定められています。
- 利用定員が10名を超えるデイサービスでは、看護師を1名以上配置する
- 利用定員が10名以下の地域密着型デイサービスでは、看護師または介護職員のどちらかを1名配置する
利用定員が10名を超える場合は、看護師を必ず配置しなければいけません。ただし、医療機関や訪問看護ステーションと連携している場合は、看護師が配置されていると判断されるため、看護師を配置する必要はありません。
また、デイサービスでは管理者を1名以上配置しなければいけませんが、管理者業務に支障をきたさないのであれば他の業務との兼務が認められています。
参照:厚生労働省「人員配置基準等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)」
介護保険法:「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
デイサービスにおける看護師配置に関する課題
デイサービスにおける看護師配置に関する課題として、デイサービスごとに品質の差が生まれることが挙げられます。
看護師の配置基準は定められていますが、最低限の人数で運営しているのか、余裕をもって運営しているのかなどデイサービスごとに配置状況が異なります。
常勤の看護師がいる、もしくは看護師の総人数が多いなどであれば、利用者に質の高いサービスを提供できるでしょう。一方で、管理者や機能訓練指導員と兼務していたり、看護師が1人のみだったりすると看護師1人あたりの業務負担が大きくなり、利用者と関わる時間が限られます。
このように、デイサービスの配置状況によっては、サービスの品質に差が生まれてしまう可能性があります。
デイサービスにおける看護師配置の費用対効果とは

デイサービスで看護師を配置すると、費用に見合った効果は得られるのでしょうか。看護師配置による費用対効果や経営における課題について解説します。
- 看護師の配置による費用対効果
- 看護師配置に関する経営における課題
どのような費用対効果と課題が生じるのか、詳しくみていきましょう。
看護師の配置による費用対効果
看護師の採用にかかる費用は、求人広告費や準備費などの採用費に加え、基本給や資格手当など待遇の高さも相まって人件費が高くなる傾向にあります。
実際、職種別平均賃金(時給換算)のデータによると、介護士の平均時給が1,161円なのに対し、看護師の平均時給は1,438円と高いことがわかります。
このように、看護師の配置にはコストがかかります。
とはいえ常勤の看護師がいると、質の高いサービスの提供や急変時対応が可能となるため利用者の安心につながるでしょう。
利用者の満足度向上に貢献するため、利用者の増加が期待できます。利用者増加によって収益が向上すると、採用コストを補えるようになるかもしれません。
しかし経営者の方のなかには、コストをなるべく抑えたいという方もいるでしょう。コスト削減のために、兼務する看護師を配置するのも1つの方法です。注意しておきたい点としては看護師に他の仕事を兼務させる場合に、業務量が増えるためサービスの質が低下する可能性があるという点です。また看護師の身体的負担が増えるため、離職するリスクが高まる点も頭に入れておきましょう。
参照:厚生労働省「介護事業経営実態調査のデータ分析」
厚生労働省「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」
看護師配置に関する経営における課題
デイサービスの人件費は、経費の約66%を占めています。また、そのうち15%は看護師に充てられており、介護士の次に多い配分となっています。
このように、デイサービスにおいて看護師にかかる費用は多くなっており、経営に大きく影響しているのです。
一方で、看護師の配置基準が満たされていない場合、減算対象となり請求の総額から30%減算され収入が減ります。安定した経営のために、看護師の配置基準を満たすことは重要です。
また、前述した通り、看護師の採用にはコストがかかります。採用できたとしても、職場環境が整っていないと離職につながりかねません。離職が続くと、採用コストがかかり続けるため経営に大きな影響を与えます。
参照:日本デイサービス協会「次期制度改正における通所介護事業の在り方に関する提言」
厚生労働省「通所介護及び療養通所介護」
デイサービスの看護師配置に関する課題解決策を紹介

デイサービスの看護師配置に関する課題解決策を3つご紹介します。
- 近隣のクリニックや訪問看護ステーションと連携する
- 正社員を採用する
- 地域密着型通所介護の経営を検討する
それぞれの解決策について、詳しく解説します。
近隣のクリニックや訪問看護ステーションと連携する
デイサービスの専従の看護師を雇用するためには、採用コストがかかります。採用コストを抑えるために、近隣のクリニックや訪問看護ステーションと連携するといいでしょう。
利用定員が10名を超える場合、看護師を1名以上配置することが定められています。ただし、医療機関や訪問看護ステーションと連携していた場合、看護師が確保されているとみなされるため、看護師を配置する必要がなくなります。
看護師にかかる費用よりも、医療機関や訪問看護ステーションとの契約費のほうが安ければコストを抑えられるでしょう。
しかし、連携時には密接に連絡や連携ができる体制を整える必要があるため、休診日のある医療機関との契約には注意が必要です。
また自治体によっては、連携する場合に書類提出が必要となるため、事前に確認しておきましょう。
参照:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護」
正社員を採用する
正社員採用も、看護師の配置基準の課題解決策の1つです。
看護師の採用にはコストがかかります。しかし、看護師が常勤で働いていると質の高いサービスが提供できたり、緊急対応ができたりと利用者の満足度向上につながります。
利用者からの評価が高くなり評判が広まれば、利用者の増加も期待できるでしょう。利用者が増加し収入を得られれば、看護師にかかるコストを回収できる場合もあります。
しかし、採用してすぐに離職してしまっては収益化にはつながりません。むしろ、再雇用にコストがかかり経営を圧迫するケースもあります。
正社員を採用する際は、離職しないよう教育体制や労働環境を整える必要があります。
地域密着型通所介護の経営を検討する
デイサービスの看護師配置に関する課題解決策として、地域密着型通所介護の経営の検討が挙げられます。
地域密着型通所介護とは、利用定員が19人未満のデイサービスのことです。
通常のデイサービスの看護師の配置基準では、利用定員が10人以下の場合は看護師または介護職員どちらか1名を配置するよう定められています。
ただし、地域密着型通所介護では利用定員が10人以下だった場合、看護師の配置が必要ありません。
そのため、看護師配置にかかるコストを抑えられるでしょう。
デイサービスの経営分析参考指標によると、通常のデイサービスよりも地域密着型通所介護のほうが人件費が安くなっています。加えて、事業全体の収益性を判断する指標である利用者1人あたりのサービス活動利益も高いです。
必ずしも地域密着型通所介護のほうが収益性が高くなるとは言い切れませんが、通常のデイサービスよりも人件費を抑えつつ収益を得られる可能性が高いといえるでしょう。
参照:厚生労働省「人員配置基準等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)」
独立行政法人福祉医療機構「≪経営分析参考指標≫ 2022年度決算分-⽼人デイサービスの概要-(全体)」
デイサービスで質の高い看護師の確保と維持をするためには?

デイサービスで質の高い看護師を確保し、維持するための方法を3つ紹介します。
- 離職を防ぐためのマニュアル強化
- 看護師向け求人・転職サイトの利用
- リファラル採用を行う
看護師を確保しようとしている方は、参考にしてみてください。
離職を防ぐためのマニュアル強化
デイサービスで質の高い看護師を確保し維持するためには、マニュアル強化を図りましょう。
マニュアルが不十分だと、仕事の進め方や必要なスキルなどが明確になっていないため、効率的に作業できず看護師の業務における負担が大きくなります。負担が大きくなると、看護師の離職につながりかねません。
またデイサービスは医療行為が少ないため、看護師としてのキャリアプランを立てづらい傾向にあります。キャリアプランがうまく立てられないと、やりがいを感じられなくなり離職につながる場合もあるでしょう。そうならないためにも、スキルアップやキャリア開発のための研修プログラムの考案も重要です。
作業の効率化やスキルアップができるようなマニュアルを整備し、長期的に働いてもらえるような環境づくりをしましょう。
看護師向け求人・転職サイトの利用
デイサービスの看護師を確保するために、看護師向け求人や転職サイトを利用しましょう。
看護師向けの求人や転職サイトを勧める理由は、応募者が絞れるためです。通常の求人サイトと異なり看護師向けの求人を閲覧する方は看護師の資格所有者です。そのため、条件に合った方に見てもらえる可能性が高くなります。閲覧数が増えれば応募される確率も上がり、看護師を採用しやすくなるでしょう。
また求人サイトや転職サイトに掲載する際は、どんな人材を採用したいか明確にしておく必要があります。
所有資格や経験年数、人柄などを設定しておかないと、ミスマッチが起こり早期離職に繋がってしまうかもしれません。
デイサービスに合った看護師を採用するために、看護師向けの求人・転職サイトをうまく活用しましょう。
リファラル採用を行う
質の高い看護師を確保し維持したい場合は、リファラル採用も選択肢の1つです。
リファラル採用とは、職場の方の紹介によって看護師を採用する方法です。人脈を使って採用するため、低コストで看護師の雇用が可能となります。
また職場の方の紹介なので、求めている人材に近い可能性も高いです。加えて、紹介する看護師から紹介される看護師側へ医療機関のリアルな情報が伝わっているため、入職後のギャップが少なく早期離職のリスクも低くなります。
しかし、リファラル採用で確実に看護師を確保できる保証はありません。職場の方の人脈となり対象者が限られているからです。
リファラル採用は、費用を抑えつつ質の高い看護師を確保できる方法ですが、採用には対象者が少なく時間がかかるため、安心して採用できるツールになりにくい点を理解しておきましょう。
看護師を配置して質の高いデイサービスを提供しよう

デイサービスの看護師の配置基準や抱える課題、看護師配置基準の課題解決策などについて解説しました。
デイサービスでは、利用者が10名を超える場合に看護師を1名以上配置するよう定められています。看護師の配置によって、質の高い医療を提供でき利用者の安心感につながる一方で、コストがかかるという課題も生じます。
課題を解決するためには、医療機関や訪問看護ステーションとの連携、地域密着型通所介護の経営を検討するなどの方法があります。看護師を採用する場合は、質の高い看護師を早期離職させないよう、マニュアルや採用方法を見直しましょう。
ファストドクターでは、夜間休日の往診を解消するために、現場を知る往診医やスタッフが往診・オンコールをワンストップで代行します。低コストかつ低リスクで24時間体制を貴院とともに作り上げ、切れ目のない医療の提供が可能となります。
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また、現在ファストドクターでは在宅医療を行う医療機関者様を対象に、無料トライアルを含めた特別キャンペーンを実施しています。夜間休日の往診やオンコールでお悩みの場合は、ぜひご相談ください。
