医師から転職は可能?医師免許を活かせる仕事10選と転職成功のポイントを詳しく解説!
公開日: 2024.08.06
更新日: 2025.04.11

「医師から転職は可能?」「医師免許を活かせる仕事が知りたい」
医師から他業種への転職を検討している方のなかにはこのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
労働時間の長さや精神的なストレスによって医師から他業種へ転職を検討する方は多数います。
本記事では、医師が他業種への転職を成功させるポイントや医師免許を活かせる仕事を紹介します。転職を検討している医師はぜひ参考にしてください。
なお、在宅で医療事務の仕事をしたい方は在宅医療事務アウトソーシングサービスを提供するクラウドクリニックにご相談ください。通勤が不要で自宅から気軽に医療事務として働けます。
医師から他業種への転職は可能?
医師として働いているからといって医師以外の仕事に就けないわけではありません。医師以外の業種に転職することはもちろん可能です。
まずは、医師の転職の現状について確認していきましょう。
現役勤務医の2人に1人が転職を考えている
医師としての仕事は非常にやりがいがある一方で、過重労働やストレスなどが原因でキャリアチェンジを検討するケースも少なくありません。
日経メディカルキャリアは、年代別の医師の転職の検討状況に関するアンケートを行い、以下の通り報告しました。
(引用:日経メディカルキャリア「第5回 現役勤務医の2人に1人が転職を考えている?!世代・年収別で注目する施設形態は?」)
アンケートの結果から、30代以下の若い医師の60%が転職を考えたことがあるのが分かります。
また、40〜50代の医師も転職を検討している方が半数を超えており、勤務医の約2人に1人が転職を検討しています。
行動に移した医師の9割以上が転職活動を成功させている
医師転職研究所が行った医師の転職の実態調査では、実際に転職活動を行った医師の9割以上が「転職活動がうまく進められた」と回答しています。
(引用:医師転職研究所「医師の転職の実態とは?医師531名へのアンケート結果」)
また、転職をした結果についても満足していると答えた医師がほとんどであり、転職を成功させている医師が多いことが分かります。
このように、医師から他業種への転職は決して難しいわけではありません。
医師が転職を考える理由
医師はハイステータスな仕事である一方で、業務上さまざまな負担を抱えています。医師が転職を考える主な理由を3つ紹介します。
- 労働時間が長いため負担が大きい
- 人の命や健康に関する仕事をすることによる精神的負担
- 患者とのトラブルによる医療訴訟リスク
それぞれの詳細を確認していきます。
労働時間が長いため負担が大きい
医師が転職を検討する理由の1つに、労働時間の長さによる負担の大きさが挙げられます。
厚生労働省が行った、病院勤務医の月間残業時間に関する調査では月80時間以上の残業をしている医師は40%にのぼることが報告されています。
一般的に月80時間以上の時間外労働は過労死ラインの基準であり、医師の仕事は激務であるために他職種への転職を検討する方も少なくないです。
(出典:厚生労働省「医師の働き方改革」)
人の命や健康に関する仕事をすることによる精神的負担
医師の仕事は常に人の命や健康と向き合うため、仕事をするうえで大きな精神的負担がかかります。
一度のミスが患者の命を左右する場合もあるため、少しのミスも許されず現場には緊張感が張り詰めます。
日常的なプレッシャーで心と体のバランスが崩れ体調を崩す医師も少なくないでしょう。
業務上の精神的負担も医師が転職を考える要因といえます。
患者とのトラブルによる医療訴訟リスク
医師は患者とのトラブルにより医療訴訟を起こされるリスクがあります。
医師転職研究所は医師の医療訴訟リスクに関する調査の結果を以下の通り報告しています。
(引用:医師転職研究所「医師の訴訟リスクの現状とは?」)
医師のうち、およそ2人に1人は「訴訟リスクを感じることが時折ある」と解答しています。
他の仕事と比べて医師は人の命や健康を左右する仕事であるからこそ患者からの訴訟リスクも高いといえるでしょう。
同調査によると、実際に訴訟を起こされた経験がある医師は20人に1人と報告されています。医師ならではの訴訟リスクも医師が転職を考える理由の1つといえます。
臨床医以外で医師におすすめの職場・職種4選
医師は他業種と比べて給料面での待遇が良いため、いきなり医師から他職種に転職することに抵抗がある方も多くいます。
まずは、臨床医以外で医師免許が活かせるおすすめの職場・職種を4つ紹介します。
健診医
健診医は、企業や学校、自治体などで健康診断を行う医師のことを指します。
主な業務内容は健康診断の実施、結果の評価、異常があった場合のフォローアップなどです。
定期的な業務でスケジュールが安定しており、夜勤や当直がないため、ライフワークバランスを重視したい医師には魅力的です。
診療科の制限も少なく、多くの臨床医が転職する際に選ぶ職場です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、高齢者がリハビリを受けながら家庭復帰を目指す施設です。
老健には入所定員100人あたり常勤医師を1名配置することが義務付けられており、入所者の健康管理やリハビリテーションの指導を行います。
入居者のリハビリや医療ケアなど医師としての知識を生かしながら働ける点が特徴です。
また、高齢化社会において需要が高まっているため長期的に安定した職場といえます。
公衆衛生医師
公衆衛生医師は、広く社会を対象にした健康増進活動や感染症対策に従事する医師です。
政府機関や自治体、保健所で働くことが多く、豊富な統計データを基に政策立案や教育啓発活動を行います。
医療現場での経験を持つ医師が多く、公衆衛生の知識と医療現場の実情を融合させた仕事が期待されます。公衆衛生学の知識があると転職がスムーズです。
産業医
産業医は、企業内で社員の健康管理や職場環境の改善に携わる医師です。
企業で定期健康診断を実施し、その結果を基にアドバイスを行ったり、メンタルヘルスケアにも積極的に関与します。
医療現場での経験を活かし、働く人々の健康をサポートすることで、労働生産性の向上にも寄与できるでしょう。
医師からの転職がおすすめの他職種6選
医師から転職を考えている方に医師免許が活かせるおすすめの職種を6選紹介します。
医師としての経験を活かしつつ、新しい分野で挑戦することができる職種を選びました。
医師から他職種への転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
開発職・研究職
病気の治療法や薬品の開発などを行う開発職・研究職は医師にとって魅力的な転職先です。
製薬会社や大学、研究機関で新薬の開発や新たな治療法の研究などに携わることができます。
医師としての経験を元に、新薬や治療法の研究ができるため、自身の知見を最大限に発揮することができます。研究に興味がある医師には最適な職場です。
医系技官
医系技官は、国や自治体の行政機関で医療政策の立案や実施に関わる仕事です。
法令やガイドラインの作成、医療現場の状況を反映した政策提言など、幅広い業務に従事します。
公務員としての安定した職場でありつつ、医療現場出身の知識を活かせるため、医療と行政の橋渡し役として重要な存在です。
医療系ベンチャー
医療系ベンチャー企業では、医師として現場で働いた知見を活かすことができます。
新しい医療技術やサービスの開発、ビジネスモデルの構築に携わることができ刺激的な環境で働けるのが特徴です。
チャレンジ精神が求められる一方で、成功すれば大きな達成感を得られるでしょう。
製薬会社
製薬会社への転職も医師の知識を活かした転職が可能です。メディカルアフェアーズや臨床開発部門で働き、医薬品の開発、臨床試験の設計、結果の解析などに深く関わります。
患者との接点は少なくなりますが、広い視野で医療の発展に寄与することができます。
給与水準も高めで、福利厚生がしっかりしている企業が多い点が特徴です。
医療コンサル
医療コンサルタントとして病院やクリニックの経営改善、戦略立案、医療制度の改革などに携わる仕事です。
医師としての現場経験をコンサルティング業務に反映させ、医療機関の改善・発展に寄与できます。
医療の知識に加え、経営やマーケティングのスキルも習得することが求められますが、その分やりがいのある職場といえるでしょう。
保険会社
保険会社では、医師の知識を活かして医療保険の引受査定や健診データの分析、保険金支払いの審査などを行う役割を担います。
医療現場の経験を基に、より適切な保険商品を提案することができるでしょう。
デスクワークが中心となり、安定した労働環境が魅力です。医療の知識を幅広い形で役立てたい場合におすすめの職場です。
医師が他職種への転職を成功させるためのポイント
転職後に「思っていた業種ではなかった」と後悔しないために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
- 自己分析を徹底して自分の強みを理解する
- 転職先はできるだけ幅広く設定して情報収集する
- 年収・勤務形態など入社条件を細かく確認する
転職活動を成功させるための参考にしてください。
自己分析を徹底して自分の強みを理解する
転職を成功させるためには、自己分析を行い自身の強みを明確にしたうえで転職活動を行うことが重要です。
医師免許は取得のハードルが高いため、所有していると転職の際に高い評価をしてくれる企業も少なくありません。
転職の際に企業からの評価が高いと仕事への期待値も高くなる可能性も高まります。
しかし、実際に働いてみると思ったような成果が出せず期待はずれだったと思われてしまうケースもあります。
医師免許に頼るだけでなく自身の強みを把握して、どの職種であれば活躍できるのか検討して転職活動をすることが転職後の活躍につながります。
転職先はできるだけ幅広く設定して情報収集する
医師からの転職を成功させるためには、転職先の選択肢を広めに設定し情報収集を徹底することが重要です。
インターネットや転職エージェントを活用して、業界の動向や企業の詳細を調査し、直接企業訪問や面談を行うことで仕事内容に関するより具体的な情報を得ることができるでしょう。
これにより、自分に最適な転職先を見つけられる確率が高まります。
年収や勤務形態など入社条件を細かく確認する
転職先を選ぶ際は、年収や仕事内容など具体的な入社条件を詳しく確認することが重要です。
医師からの転職は、現職と比べて年収が下がる可能性も考慮しながら、自分の生活水準を維持できるかどうかを判断する必要があります。
また、勤務形態や福利厚生なども確認し、自分のライフスタイルに適しているかを見極めることで転職後の後悔を防げます。
医師が転職をする際の注意点
医師が他業種へ転職をする際は以下の2つに注意しましょう。
- 転職はできるだけ若いうちにする
- 待遇が下がる可能性があることを理解しておく
トラブルや後悔なく転職できるように参考にしてください。
転職はできるだけ若いうちにする
医師から他業種に転職する場合はできるだけ早めの決断が転職成功のカギです。
医師としてのスキルや知識があったとしても、働く業種が異なれば新人として扱われます。
特に企業の場合では、長く働いてくれる人材が求められることも多く転職者の年齢も重要視される傾向にあります。
そのため、希望の職種に転職したい場合はできるだけ若いうちに転職活動をすることがおすすめです。
転職をするか悩み行動に移せずにいると、年齢を理由に希望の職種に採用されないリスクが高まるため注意しておきましょう。
待遇が下がる可能性があることを理解しておく
医師から他職種への転職において、待遇が下がる可能性があることも理解しておきましょう。
日本の平均年収は443万円であるのに対して、医師の平均年収は1,378万円と大きな開きがあります。
家賃が高いマンションに住んでいるなど生活水準をあげていると、転職後に今までと同じ生活が送れなくなることもあるため注意が必要です。
医師から他業種へ転職する際は、給与など待遇が下がる場合があることに注意しておきましょう。
参考:国税庁「 民間給与実態統計調査」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
転職を検討する際は働き方を変えてみることも考えよう!
医師が他職種への転職を検討する際は、働き方を変えてみることも一つの方法です。
本記事では、転職を成功させている医師が多数いることを紹介しましたが、必ずしも全ての方が転職を成功できるとは限りません。
転職した結果「医師のほうがよかった」ということがないためにも、まずはアルバイトなどで他業種に触れてみるのも良いでしょう。
また、医師としても、病院だけでなく在宅医療やオンライン診療などさまざまな働き方があります。
転職を検討する際は働き方を考えて自身に合った仕事を見つけてください。
なお、在宅で医療事務の仕事をしたい方は在宅医療事務アウトソーシングサービスを提供するクラウドクリニックにご相談ください。通勤が不要で自宅から気軽に医療事務として働けます。