訪問看護で准看護師ができないことは?オンコールや訪問看護ステーションが抱える課題など詳しく紹介!
公開日: 2024.08.06
更新日: 2025.04.10

訪問看護において准看護師の採用を進める訪問看護ステーションのなかには、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
訪問看護において、准看護師は24時間体制のオンコールを行うことができません。
本記事では、看護師と准看護師の違いや訪問看護で准看護師ができないことを紹介します。
また、准看護師に関して訪問看護ステーションが抱えやすい課題も解説するためぜひ参考にしてください。
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訪問看護ステーションの人手不足は深刻化する

高齢化に伴い日本の医療需要がますます拡大するなかで、医療需要に対する看護師不足が問題視されています。
パーソル総合研究所と中央大学が共同で行った労働市場の未来推計調査では、2030年における職業別の人手不足を以下の通り報告しました。

(引用:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計 2030」)
医療・福祉に関する職業では、将来的に187万人の人手不足になることがわかります。
訪問看護ステーションにおいても将来的な人手不足が予想されており、医療スタッフを充実させるためにも看護師・准看護師の採用が急務の課題といえるのです。
看護師と准看護師の違い

これまで看護師のみの採用しかしていなかった場合でも、今後の人手不足を見越して准看護師の採用をすすめている訪問看護ステーションも多いのではないでしょうか。
ここでは、看護師と准看護師の法律上の扱われ方の違いや行える業務内容の違いを確認していきます。
新たに准看護師の採用を検討している訪問看護ステーションは参考にしてください。
法律上の看護師と准看護師の定義の違い
看護師と准看護師は「保健師助産師看護師法」において以下のように定義の棲み分けがなされています。
訪問看護ステーションで准看護師を雇用する際は看護師との違いを理解したうえで採用を進めなければならないため注意が必要です。
准看護師の業務内容・範囲は看護師と変わらない
訪問看護ステーションにおいて看護師と准看護師が行える業務範囲はほぼ変わりません。
看護師が日頃行う以下の業務は准看護師も同様に行えます。
- 血圧、脈拍、体温の測定
- 点滴の作成、投与
- 採血、点滴路の確保
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- シーツ交換
- 配薬、セット
- 手術、処置の補助
- 体位変換
- 夜勤巡回、夜間患者対応
- カンファレンス参加
- 患者さんの送迎
- カルテ入力業務
そのため、訪問看護ステーションで働くうえで准看護師も看護師と同様の知識や技術を身に付ける必要があります。
看護師ができて准看護師ができない業務

訪問看護ステーションにおいて看護師ができても准看護師は行えない業務もあります。准看護師が行えない主な業務は以下の通りです。
- 自己判断での看護業務
- 看護計画の立案
- ほかの看護師への指示出し
- 管理職への昇進
訪問看護ステーションにおいて看護師と准看護師の業務の違いを確認していきましょう。
自己判断での看護業務
准看護師は医師や看護師の指示を受けてからでなければ業務を行えません。
看護師は自己判断で業務を行えますが、准看護師は都度指示を受けなければ業務が行えない点が相違となります。
患者のバイタルサインの確認など看護に関する業務は看護師同様の業務が行えますが、それらも指示を待つ必要があります。
このように、自己判断で看護業務が行えない点が准看護師の特徴といえます。
看護計画の立案
准看護師は、看護計画を立案することができません。
看護師と准看護師では資格を取得する際に教育現場での履修科目が異なります。
看護師は科学的根拠や倫理にもとづいた看護計画を行い実践するための教育を受けていますが、准看護師は受けていません。
そのため、教育課程において看護計画に関する教育を受けていないことから看護計画の立案が行えないのです。
ほかの看護師への指示出し
保健師助産師看護師法で示される通り、准看護師は看護師から指示をもらう立場です。
そのため、准看護師が看護師に指示出しをすることはできません。
准看護師が先輩で看護師が後輩の場合も、このルールは変わりません。たとえ、准看護師が勤続30年のベテランスタッフであっても同様です。
新人看護師が処置に困っていても、准看護師は指示ができないため業務上不便に感じるケースがあります。
管理職への昇進
准看護師は管理職昇進の明確な規定はありません。
しかし、准看護師は看護計画立案や指示出しができない制約があるため管理職昇進は難しい現状にあります。
どれだけ長年勤めても准看護師が管理職へキャリアアップすることは難しいとされています。
准看護師が管理職へのキャリアアップを目指すなら、ほかの看護師へ指示出しができるように看護師の資格取得が必須です。
訪問看護において准看護師ができないこと

近年、患者が自宅にいながら看護を提供する訪問看護を提供する訪問看護ステーションが増加傾向にあります。
しかし、訪問看護においても看護師と准看護師は行える業務範囲が異なります。訪問看護において准看護師ができない業務は以下の通りです。
- 訪問看護計画書および報告書の作成
- 訪問看護の管理者やリーダー
- 24時間対応体制の担当
それぞれの内容の詳細を確認していきます。
訪問看護計画書および報告書の作成
訪問看護において准看護師は訪問看護計画書の作成が行えません。
訪問看護計画書および報告書の作成は看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のみが作成可能であることが規定されています。
訪問看護計画書および報告書は、看護師が作成しなければなりません。
訪問看護の管理者やリーダー
管理者は医療スタッフへの指導と育成の役割を果たさなければなりません。
しかし、准看護師は医療スタッフに指示を与えることができません。
そのため、訪問看護においても准看護師が管理者やリーダーになることは難しくなります。
管理者になるためには、看護師または保健師の資格が必要です。
オンコールによる24時間対応体制の担当
訪問看護は患者の急変に対応するために24時間体制をとっている訪問看護ステーションがほとんどです。
しかし、准看護師は24時間体制の働き方を行うことができません。
厚生労働省の基準では、24時間対応の連絡相談担当者は保健師または看護師であることが求められています。
そのため、オンコールの対応は保健師または看護師が原則的に行わなければなりません。
訪問看護ステーションが抱える准看護師についての課題
看護師と准看護師は業務上の制約や法律上の制約があるため課題を抱える訪問看護ステーションも多くあります。
訪問看護ステーションが抱える准看護師についての課題は以下の2つです。
- 算定方法を理解しなければならない
- 准看護師の廃止による更なる人手不足
それぞれの詳細を確認していきます。
課題①:算定方法を理解しなければならない
訪問看護において看護師と准看護師とではどちらが訪問するかにより算定方法が変わります。
介護保険における訪問看護では准看護師が訪問する際は、看護師が訪問する際の所定単位数の90%で算定しなければなりません。
新しく准看護師を採用する場合は算定を理解しておかなければならないため注意が必要です。
また居宅サービス計画上の訪問予定者が変更になる場合も所定単位数が90%となるため注意が必要です。
このように、看護師と准看護師は算定方法が異なることが経理上の課題となります。
課題②:准看護師の廃止による更なる人手不足
正看護師への一本化が提言され、准看護師制度の廃止が議論されています。
准看護師と看護師は所有する資格が異なります。
そのため准看護師制度が廃止になると訪問看護ステーションが更なる人手不足のリスクが高まります。
准看護師制度は、今すぐ廃止されるわけではありませんが、将来的な制度の開設に備えておく必要がある点も課題となります。
看護師の人手不足への対処法
看護師の人手不足は、訪問看護ステーションの現場において深刻な問題となっています。これを改善するためには、労働環境の改善や魅力的な雇用条件を提供する必要があります。
この問題に向き合うための具体的な施策を紹介します。
- 夜勤手当や残業手当を充実させる
- 院内託児所の設置する
- オンコール代行サービスの利用
それぞれ確認して看護師の人手不足に対処してください。
夜勤手当や残業手当を充実させる
夜勤や残業は看護師にとって避けられない業務ですが、それに見合う報酬を受けていないことが離職の原因の一つとなっています。
夜勤手当や残業手当を充実させることで、看護師のモチベーションを向上させ、定着率を上げることが期待できます。
手当の見直しや労働時間に応じたインセンティブ制度を導入することで働く意欲を高めることが重要です。
手当の改善は、人手不足の中でも看護師の離職を防ぎ労働環境の質を向上させるものとなります。
院内託児所の設置する
働く看護師の多くは、子育てと仕事の両立に悩んでいる場合もあります。職場に託児所を設置することで、看護師たちは安心して働くことができ、子育て世代の離職を防ぐ効果が期待されます。
託児所を利用することにより、育児中の看護師も柔軟に勤務時間を選べ、急な呼び出しにも対応しやすくなるでしょう。
また、職場に子供を預けられるという安心感は、仕事に集中するための大きな助けとなり、結果として看護の質を向上させることにもつながります。
オンコール代行サービスを利用する
オンコールは看護師にとって大きな負担ですが、必要不可欠な業務でもあります。
オンコール代行サービスを導入することで、緊急時の呼び出し対応を専門のスタッフに委ね、看護師の負担を軽減できます。
このサービスを活用することにより、看護師の勤務時間外の負担を減らし、心身共に健康的な労働環境を提供することが可能です。
オンコール代行サービスの導入は、看護師のストレス削減や離職防止に大いに役立ち、結果的に職場の効率化も促進します。
なお、看護師不足にお悩みの訪問看護ステーションはファストドクターにご相談ください。夜間・休日のオンコールを代行し看護師不足による負担の削減をサポートいたします。
准看護師に関するよくある質問

准看護師に看護管理業務を任せてもいいですか?
保健師助産師看護師法上で准看護師は指示を受ける役割と示されています。
そのため、准看護師は自己判断での業務や指示出しを行えません。
管理業務は看護師へ対して教育や指示出しを行う役職です。准看護師に看護管理業務やリーダー業を任せることはできません。
看護師の指示であれば准看護師へ緊急訪問を任せてもいいですか?
基本的に准看護師は24時間対応体制を担当できません。
ただし、看護師の指示のもと緊急訪問を行い患者の対応を行うことは可能です。
そのため、看護師がオンコールで電話を受けた際に准看護師に緊急訪問を任せることはできます。
往診代行サービスを利用することで働きやすい職場環境を整えられる!

人手不足が深刻化する看護業界において、職場の医療スタッフの充実は重要な経営課題になります。
看護師と准看護師の業務内容を理解したうえで医療スタッフを採用し医療体制を整えてください。
ただし、准看護師は24時間体制のオンコールなど行えない業務もあります。
24時間のオンコール体制の整備など准看護師がカバーできない業務は外部への委託もおすすめです。
オンコール代行サービスを利用することで訪問看護ステーションの業務バランスを整えられ、働きやすい職場環境を整えられます。オンコール代行サービスの利用を職場で検討してみましょう。
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