非常勤医師と常勤医師の違いとは?メリット・デメリットや医療機関が抱えやすい課題を詳しく解説
公開日: 2024.08.06
更新日: 2025.04.10

「非常勤医師と常勤医師にはどのような働き方の違いがある?」「非常勤医師が多い職場が抱えやすい課題とは?」
多様な働き方が広がる近年で、このような悩みを抱えている医療機関も多いのではないでしょうか。
非常勤医師と常勤医師のもっとも大きな違いは、働き方の柔軟さです。非常勤医師で働く場合は時間の融通が利きやすく、ある程度好きなタイミングで働けます。
ただし、非常勤医師としての働き方にはいくつかデメリットもあります。
本記事では、非常勤医師と常勤医師の違いやそれぞれのメリット・デメリットなどを紹介します。また、在籍する医師のうち非常勤医師の割合が高い医療機関が抱えやすい課題も改善するためぜひ参考にしてください。
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非常勤医師と常勤医師の違い

常勤と非常勤の働き方の違いは、正職員かアルバイトかの違いです。常勤医師は勤務先の病院に正職員として在籍しています。
一方で、非常勤医師はアルバイトとして働く医師を指します。複数の病院で掛け持ちで働くことも可能です。
週32時間の労働がボーダーライン
厚生労働省医政局は2014年4月に発行した「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」で常勤医師と非常勤医師のボーダーラインを週32時間と規定しています。
(1).常勤医師とは、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者をいう。ア.病院で定めた医師の勤務時間は、就業規則などで確認すること。イ.通常の休暇、出張、外勤などがあっても、全てを勤務する医師に該当するのは当然である。(2).病院で定めた医師の1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし、その他は非常勤医師として常勤換算する。引用:医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱 |
ただし、医療機関ごとによっても異なる基準に基づいて判断される場合があるため、週32時間以上働くことが常勤医師の必須条件ではありません。
あくまで各医療機関が必要な医師数を算出するために使用されるもので、常勤か非常勤かを判断するボーダーの目安としてください。
非常勤医師の働き方の特徴

次に、非常勤医師の働き方の特徴を2つ紹介します。
- 定期非常勤
- スポット
それぞれの働き方を詳しく紹介します。
定期非常勤
定期非常勤とは、勤務日程が固定された非常勤の働き方です。アルバイトでいうと、固定シフトのような形です。非常勤ではありますが、基本的には同じ勤務地で長期間働く人が多く、安定した収入が得られます。
子育てと仕事を両立したい方や、趣味などの仕事以外の活動に時間を割きたい方にとってよく選ばれる働き方です。
スポット
スポットは、特定の日時のみ勤務する単発アルバイトの一種です。病院などで急に医師が不足した場合に助けを求められることがあり、時給は比較的高くなります。
ただし、スポット勤務は突発的な募集がほとんどであり、長期的に安定した収入を望む人には向いていないでしょう。そのため、スポットをメインとする働き方はあまり選ばれません。
多くの医師は、基本的に定期非常勤として働いています。
非常勤医師の主な業務内容

次に、非常勤医師の主な業務内容を2つ紹介します。
- 外来対応
- 救急対応
それぞれの働き方を詳しく紹介します。
外来対応
非常勤医師の求人は外来対応がもっとも多いです。医療機関に訪れる患者に対して、診察や薬の処方などの対応を行うことが一般的です。
一方で、非常勤医師が外来対応の際に執刀を任せられることはほとんどありません。これは、非常勤医師の実力不足ではなく、勤務時間が限られているため術後管理を徹底することが難しくなるためです。
救急対応
非常勤医師は働き方が常勤医よりも柔軟ですが、場合によっては救急対応が必要な求人もあります。
救急対応の有無も含め、求人の詳細をよく確認してから応募することが大切です。
非常勤医師として働くメリット

次に、非常勤医師として働くメリットを4つ紹介します。
- 時間の融通が利きやすい
- オンコール対応がない
- 時給計算では常勤医師よりも給料が良い
それぞれのメリットを詳しく解説します。
時間の融通が利きやすい
非常勤勤務として働く最大のメリットは、時間の融通が利きやすいことです。非常勤医師は勤務時間や曜日を選べるため、働き方の柔軟性が高くなります。
もちろん、働く時間が短くても家庭を支える収入を得ることが可能です。さらに、少しでも現場で非常勤医師として働くことでキャリアに空白を作らずに済み、フルタイム勤務に戻ることも容易となるでしょう。
オンコール対応がない
オンコール待機の求人以外では、非常勤医師の仕事にはオンコール勤務がないことが一般的です。
そのため、時間的・精神的にゆとりのある働き方が可能です。
時給計算では常勤医師よりも給料が良い
時給換算すると非常勤医師の方が給与が高いことがほとんどです。平均的な非常勤医師の時給は約1万円で、常勤医師と比べてもお得な働き方です。
実際、常勤医師のなかには収入を増やすために、非常勤医師の仕事も兼任しているケースも多数あります。
非常勤医師として働くデメリット

次に、非常勤医師として働くデメリットを4つ紹介します。
- 福利厚生がない
- 納税の手続きを自分で行わなければならない
- 退職金がない
- 常勤医師と比べて社会的信用が低い
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
福利厚生がない
非常勤医師として働く場合は福利厚生が十分に整っていない点がデメリットです。福利厚生とは健康保険や厚生年金などの社会保険や、有給休暇や退職金などの福利厚生制度のことです。
常勤医師であれば、雇用形態に応じてこれらの福利厚生を受けられますが、非常勤医師は自己負担で加入しなければなりません。
交通費が出ない医療機関もあるため、どこまで自分が負担しなければいけないのかは把握しておきましょう。
納税の手続きを自分で行わなければならない
非常勤医師は、自分自身で納税の手続きを行わなければなりません。常勤医師は、給与から源泉徴収された税金を雇用主が納税するため、自分で手続きをする必要がありません。
しかし、非常勤医師は事業所得者として扱われるため、自分で納税手続きを行う必要があります。
税理士などに依頼する場合でも費用がかかってしまうため、時間的・金銭的な負担は考慮しておきましょう。
退職金がない
基本的に、非常勤医師には退職金がありません。退職金は、長い期間働いた後に受け取れる一定のお金であり、退職後の生活を支えるためのものです。
しかし、非常勤医師は退職金の受け取りがないため、将来の生活設計に不安を感じることがあるでしょう。
また、厚生年金の加入要件を満たしていない場合、将来の年金受給額は厚生年金に比べて低くなる可能性があります。そのため、老後に必要な資金は自分自身で準備しなければいけません。
常勤医師と比べて社会的信用が低い
非常勤医師は、常勤医師と比べて社会的な信用が低くなりやすいです。一般的に、常勤医師は一定の専門性や安定した収入があると判断されており、社会的にも高い評価を受ける傾向があります。
一方で、非常勤医師は勤務時間や雇用形態が不安定であることから社会的な信用は低くなりがます。特に住宅ローンなどを借りる場合には非常勤医師の仕事だけでは契約が難しいこともあります。
常勤医と非常勤医で求められるスキルの違い

一般的に、非常勤医師には即戦力としての役割が期待されています。採用条件として、一定の臨床経験を持ち、研修なしでも診療ができることが求められることがほとんどです。そのため、未経験であったり経験年数が短かったりする医師は採用されにくい傾向があります。
ただし、美容皮膚科や在宅診療などは未経験でも応募可能な求人もあります。例えば、全国展開している大手の美容皮膚科クリニックでは研修体制が十分に整っているため、未経験者でも応募できるケースは多いようです。
また、健診では内科系の診療経験を持つ医師であれば応募できる求人も多くあります。
非常勤医師が多い医療機関が抱えやすい課題

最後に、非常勤医師が多い医療機関が抱えやすい課題を2つ紹介します。
- オンコール体制が整えにくくなる
- 院内のチーム連携が難しくなる
それぞれの課題を詳しく解説します。
オンコール体制が整えにくくなる
非常勤医師が多い医療機関では、オンコール体制を整えることが難しくなりがちです。
一般的に非常勤講師は医療機関のオンコールには対応しません。
そのため、多くの非常勤医師が在籍していると、オンコールのスケジュール調整が困難になります。
もし、非常勤医師にオンコールを依頼する場合でも、他の医療機関での勤務があったりなどで都合がつかないことも少なくありません。
院内のチーム連携が難しくなる
非常勤医師が多い医療機関では、院内のチーム連携が難しくなる課題があります。非常勤医師は定期的かつ長期で勤務することが少なく、他のスタッフとのコミュニケーションが希薄になりがちです。
医療機関では、医師や看護師との連携が重要です。しかし、非常勤医師は長年のやりとりで培われる阿吽の呼吸ができない場合も課題といえます。
自由度の高さと給料の高さが非常勤医師の魅力

非常勤医師は、生活の自由度の高さと給料の高さが魅力です。ある程度経験のある医師であれば、非常勤医師だけで生活していくのは難しいことではないでしょう。
一方で、非常勤医師としての働き方には福利厚生が受けられなかったり社会的信用が低かったりするデメリットも存在します。
常勤医師との違いをしっかりと理解して、自分に合った働き方を選びましょう。
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