医師・看護師が抱えるオンコールのストレスとは?原因や解消法を詳しく解説!
公開日: 2024.04.22
更新日: 2025.04.10

「オンコールで医師・看護師がストレスを抱える原因は?」「オンコールのストレスを軽減する解決策が知りたい」
このような悩みを抱えている医療機関は多いのではないでしょうか。
オンコールは自宅にいても緊張状態が続くことから、医師・看護師の身体的・精神的な負担につながります。
本記事ではオンコールで医師・看護師がストレスを抱える原因やストレスの解決策を紹介します。
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医師・看護師のオンコールとは?
オンコールとは、患者の体調急変などの緊急事態に迅速に対応できるように待機する勤務形態のことです。
以下でオンコールの実態やオンコールが担当者へ与える負担を確認していきます。
医師・看護師のオンコールの実態
独立行政法人労働政策研究・研修機構は、勤務医のなかでオンコールを含む働き方をしている医師は88%にのぼることを報告しています。
(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」)
また、日本看護協会は91.8%の特別養護老人ホーム・介護老人保健施設が夜間オンコール体制を導入していることを明らかにしています。
(参考:日本看護協会 「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査」)
このように、医療現場や介護施設の多くがオンコール体制を導入している現状にあります。
オンコールによる身体的・精神的負担
オンコールを導入することで患者の急変に対応でき、もしもの場合でも早期対応が可能になるなどのメリットがあります。
一方で、オンコールは医師や看護師の身体的・精神的な負担にもつながります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査では、オンコールの回数が増加するほど、「仕事後のやる気喪失」「仕事からの解放感のなさ」を感じると答えた医師が多くいました。
1ヶ月あたりのオンコールの回数 | 仕事後のやる気喪失(※) | 仕事からの解放感のなさ(※) | ヒヤリ・ハット体験(※) |
0回 | 13.3% | 9.2% | 5.5% |
1〜3回 | 18.4% | 16.0% | 8.9% |
4〜6回 | 27.4% | 25.3% | 12.8% |
7〜9回 | 28.9% | 23.3% | 16.7% |
10回以上 | 42.6% | 40.9% | 21.7% |
※「ほとんどそうである」「ときどきそうである」「ほとんどない」の選択肢のうち「ほとんどそうである」を選んだ割合
(引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」)
また、秋田大学大学院が行ったオンコール勤務が看護師の負担感や睡眠へ及ぼす研究では、7〜8割の看護師がオンコール勤務に身体的・精神的負担を感じていることが報告されています。
(参考:産業衛生学雑誌「訪問看護師の夜間オンコール業務と負担感および睡眠への影響」)
オンコールは医師・看護師の身体的・精神的な負担につながるため、ストレス改善のための対策が重要となるのです。
医師・看護師がオンコールでストレスを抱える原因
オンコールで医師や看護師がストレスを抱える主な原因は以下の4つです。
- 自宅での待機が必要
- 休んでいる気がしない
- 飲酒ができない
- 翌日も通常勤務
医師・看護師の精神的・体力的な負担を軽減するために、まずはその原因から把握していきましょう。
原因①:自宅での待機が必要
オンコール待機中はいつ出動が必要となるかわからないため遠方への外出ができません。
そのため、活動できる場所に制限がかかり、基本的には自宅での待機が必要となります。
自由な行動が制限されてしまうことが医師・看護師のストレスの原因となる場合があるのです。
原因②:休んでいる気がしない
オンコール待機中に電話がきた場合、必要があれば出動して医療を行わなければなりません。
場合によっては患者の急変で生死に関わる治療を求められます。
そのため、常に緊張状態が続いた状態で自宅待機しなければなりません。
自宅にいても休んでいる気がしないことは医師・看護師のストレスの原因になります。
原因③:飲酒ができない
オンコール待機中は患者のケアに集中できるように体制を整えておく必要があります。
そのため、出勤に備えてアルコールの摂取はできません。
お酒が好きな方にとって、オンコールによって飲酒が制限されることは少なからずストレスにつながるでしょう。
原因④:翌日も通常勤務
医療機関で勤める医師・看護師の出勤スケジュールはあらかじめ決められている場合がほとんどです。
そのため、オンコールにより夜間の出動があったとしても翌日は通常通り勤務しなければならないこともあるでしょう。
夜間に十分な睡眠を取れずに翌日仕事を行わなければならないため、体力的な負担が大きくかかる場合があるのです。
オンコールの主な電話内容
オンコールにおける主な電話内容は以下通りとなります。
- 医療機器のトラブル
- 患者の体調急変
- 看取り
電話の内容は多岐にわたるため、状況に応じた適切な対処が求められます。オンコールの具体的な電話内容を確認していきます。
医療機器のトラブル
医療機器のトラブルは、患者の安全に直結するため緊急の対応が求められます。
機器の誤作動や予期しない故障が発生した場合、専門の技術者との連絡や予備機器への切り替えが必要です。
そのため、オンコールの対応は医療機器に関する知識とともに、落ち着いた判断力が求められます。
患者やご家族だけで対応できない場合は出動が求められることがあります。
患者の体調急変
患者の体調急変も、緊急度の高いオンコールの電話内容の一つです。
患者の体調急変に対して細かな詳細を確認して迅速かつ的確な指示を行う必要があります。
また、患者の容態を確認しながら必要に応じて往診の手配を行います。
看取り
患者が在宅看取りを希望する場合では、オンコールで看取りの連絡を受けるケースもあります。
ご家族からの連絡を受けたら医師と連携し在宅看取りへと出動します。
医師による死亡の診断とともにご家族に対するケアも行います。
医師・看護師がオンコールのストレスを最小限にする工夫
オンコールのストレスを最小限に抑えるためには事前準備や環境整備が不可欠です。医師や看護師は日々の忙しい業務の中で、オンコール対応に備えておくことで負担を軽減することができます。
以下では医師・看護師がオンコールのストレスを最小限にする工夫を4つ紹介します。
- オンコール当日に予定を入れないでおく
- 家事を依頼できる人を確保しておく
- 呼び出し音を優しい音に変更しておく
- 眠れる時に寝ておく
それぞれ確認してオンコールのストレス対策に役立ててください。
オンコール当日に予定を入れないでおく
オンコールの日には、可能な限り他の予定を入れないようにするようにしましょう。
オンコール待機中はいつ電話がかかってくるかわかりません。何か予定を入れていて急に電話があると心理的なストレスにつながります。
いつ電話が来ても対応できるようにするためには柔軟なスケジュール管理が重要です。
また、事前の準備として、必要となる可能性がある資料や連絡先を整理しておくことも、スムーズな対応に役立ちます。
オンコール待機当日は可能な限り予定を入れずにスケジュール管理しておくことぎストレスを和らげるカギとなります。
家事を依頼できる人を確保しておく
オンコール待機中には急な拘束時間があったり、予期せぬ事態が発生したりすることがあります。
そのため、日常の家事を家族にお願いするなどしておくと安心です。
また、オンコール待機がない日に前倒しで家事しておくのもポイントとなります。
食事を数日分作り冷凍にしておいたり、掃除を済ましておいたりなどできることをオンコール当番以外の日にしておくようにしましょう。
呼び出し音を優しい音に変更しておく
オンコール待機中の電話の呼び出し音は、緊張を伴うものであるため心理的には一定のストレスがかかります。
そのため、夜間のオンコールを想定して心地よい音楽や優しい音色に変更することで電話がきた時のストレスの軽減につながります。
呼び出し音の選択は、個々の好みによるところもありますが穏やかな気持ちで応答できる環境作りはストレス対策には有効です。
眠れる時に寝ておく
オンコール中はいつ呼び出されるかわからないため、眠れる時に少しでも睡眠をとっておくことも重要です。
急な電話対応に備えてできる限り心身を休めておくことは欠かせません。
十分な休息を確保することで夜間や休日のオンコールの際の緊急事態にも冷静に対処できるようになります。
また、睡眠不足にならないように快適な寝具を購入するなどの環境作りも大切です。
医療機関がオンコールを導入するメリット
オンコールは医師や看護師の負担となる反面、医療機関が導入することで以下のメリットが得られます。
- 医療機関を利用する患者や家族に安心してもらえる
- 医師・看護師の時間外労働を防げる
- 人件費の削減につながる
オンコールを取り入れる具体的なメリットを以下で確認していきます。
医療機関を利用する患者や家族に安心してもらえる
オンコール体制が整った医療機関であれば、オンコールの電話対応や出動によりきめ細やかな医療の提供が可能です。
そのため、医療機関を利用する患者や家族は安心して診療を任せられますし、結果的に集患にもつながります。
医師・看護師の時間外労働を削減できる
オンコールを導入しないと、夜間や休日などにも患者の体調急変に備えた医療スタッフの配置が必要です。
その場合、人手不足の医療機関では人手を補うために所定労働時間を超えた時間外労働が発生するおそれもあります。
オンコールを導入することで夜勤や休日出勤などの医療スタッフの配置が不要となります。
そのため、医療スタッフの時間外労働の発生を防ぐことにつながるのです。
人件費の削減につながる
オンコールの報酬は医療機関によって異なりますが、多くの場合は通常勤務よりも安価な金額であるため、人件費を削減することができます。
オンコールを取り入れることで人件費を抑えられ、経営状況の改善につながる点もメリットといえるでしょう。
医療機関がオンコールを導入するデメリット
続いて、医療機関がオンコールを取り入れるデメリットを紹介します。
オンコールの主なデメリットは以下の2つです。
- 医師・看護師の離職率が上がる可能性がある
- 医師・看護師の採用が決まらない場合がある
それぞれのデメリットについて説明していきます。
医師・看護師の離職率が上がる可能性がある
オンコールでの待機回数が多い医療機関は、医師・看護師の身体的・精神的ストレスが増加します。
その結果、過度なストレスから医師・看護師の離職を招くリスクが高まります。
退職により医療スタッフの人数が少なくなれば、その分残された医師・看護師にしわ寄せがいき、さらなる離職を生んでしまう負のサイクルに陥ってしまう恐れもあります。
医師・看護師の採用が決まらない場合がある
オンコールを取り入れる医療機関は医師・看護師の採用がうまくいかないケースがあります。医療機関で働くことを考えている求職者にとって、オンコールの有無は応募先を選ぶうえで重要な要素になっているからです。
そのため、求人を出してもオンコールがある医療機関には応募がこないケースもあるのです。
オンコールの導入は、採用面に影響を与えることを考慮しなくてはいけません。
医師・看護師が抱えるオンコールのストレス対策
医療機関でのオンコール体制の導入は患者や医療機関にとってメリットである反面、医師・看護師のストレスにつながります。
医師・看護師のストレスを軽減するためには以下の対策がおすすめです。
- オンコール代行サービスを利用する
- 手当を増やす
- 休暇を増やす
それぞれの解決法の詳しい内容を確認していきます。
オンコール代行サービスを利用する
オンコールによる医師・看護師のストレス改善には、オンコール代行サービスの利用がおすすめです。
オンコール代行サービスとは、オンコールによる電話対応や往診を外部の事業者に任せることができるサービスのことです。
医療機関に勤務する医師・看護師がオンコール待機や出動をする必要がなくなるためオンコールによるストレスを改善できます。
ファストドクターは夜間休日のオンコール代行サービスを提供しております。医師・看護師のオンコールによる業務負担にお困りの際はご相談ください。
手当を増やす
オンコールによる医師・看護師の負担を改善するためには手当の増加も有効といえます。
オンコールでの待機は精神的な負担になる一方で、待機手当はわずかしか支払われない場合がほとんどです。
オンコールでの待機における手当を増加することで医師・看護師は精神的な労力に見合った見返りがもらえるためストレスの軽減につながります。
休暇を増やす
オンコールの出動回数に応じて、休暇を増やすことも医師・看護師のストレス対策につながります。
医療機関の出勤スケジュールはあらかじめ数週間〜数ヶ月先まで決められています。
そのため、翌日に勤務予定が入っている場合、夜間にオンコールによる出動があると睡眠時間が取れず精神的にも身体的にも医師・看護師の大きな負担となります。
オンコールの出動回数に応じて休暇を増加させることで医師・看護師の精神的・身体的な負担を軽減できるでしょう。
医療機関のオンコールに関するよくある質問
医療機関がよく抱えるオンコールに関する質問を2つ紹介します。
オンコールに関する疑問を解消するために役立ててください。
オンコールの待機手当の相場はいくらですか?
オンコールの待機手当は医療機関や職種によっても異なります。一般的なオンコール待機の手当相場は以下の通りです。
職種別オンコール待機1回あたりの手当相場 | |
医師 | 10,000円〜30,000円 |
看護師 | 1,000円〜3,000円 |
事務スタッフ | 1,000〜2,000円 |
また、オンコールの連絡を受けて患者のもとに出動する場合は、待機手当にプラスして別途出動手当が支給される場合もあります。
オンコールでの医師・看護師の対応内容は何がありますか?
大きくは電話対応と出動対応の2つあります。
出動した際の対応内容は様々ですが、通常の勤務時と同様に、患者の容体に応じた対応が求められます。
医療現場では、患者の急変や救急搬送など様々な状況に応じた対応が必要です。
そのため、場合によっては緊急オペを行わなければならないこともあります。
オンコールがない職場はある?
医療機関によってはオンコールがない職場もあります。
オンコールの対応をしたくない場合は、あらかじめ求人へ応募する際にオンコールの有無を確認しておくようにしましょう。
また、オンコールがある医療機関でも非常勤やパートなど雇用形態によってもオンコールの当番がないケースもあります。
オンコールによる医師・看護師のストレス対策を取り入れよう!
医療機関のオンコールは、医師・看護師の身体的・精神的な負担となる場合があります。
オンコールによる医師・看護師の負担を解消するためには、オンコール代行サービスの導入、手当や休暇の充実といった手段があります。
これらの対策は、人件費の削減や医療スタッフの採用力アップにもつながる場合がありますので、ぜひ検討してみてください。
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