患者満足度とは?医療機関の運営における重要性や満足度向上によるメリットも紹介
公開日: 2025.02.04
更新日: 2025.04.10

患者満足度が医療機関の運営にどのような影響を与えるのか、気になる経営者の方は多いのではないでしょうか。
患者満足度は、医療機関のサービスに対する評価で患者の信頼を得るために重要な指標となります。患者満足度が向上すると、患者数増加やスタッフの意欲向上につながり、収入アップが期待できます。
本記事では、患者満足度の重要性や病院経営に与えるメリット、患者満足度を向上させるための対策について解説します。
患者満足度が高まるような質の高い医療機関にしていきたい方は、ぜひ参考にしてください。
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患者満足度とは?医療機関における重要性

患者満足度は、医療機関の運営や管理において重要な指標となります。患者満足度について、下記3つの観点から解説します。
- 患者満足度は顧客満足度を指す
- 患者からの信頼を得るために重要なもの
- 病院の医療の質の評価にもつながる
患者満足度の重要性を理解し、医療機関の運営や管理に活かすようにしましょう。
患者満足度は顧客満足度を指す
患者満足度は顧客満足度を指します。顧客満足度とは、商品購入やサービス利用時に感じる満足感のことです。
つまり患者満足度は、医療機関のサービスに対する評価となります。
患者満足度は患者のリアルな意見が反映されているため、よりよい医療機関にしていくために役立ちます。
また、患者満足度が向上すれば、患者数が増加し収入アップが期待できるでしょう。
医療機関の運営や管理において、患者満足度は重要な指標となります。
参照:日本公益財団 日本生産性本部「顧客満足とは:CS向上のアプローチと調査の活用」
患者からの信頼を得るために重要なもの
患者満足度は、患者からの信頼を得るために重要です。
医療機関の経営は、顧客となる患者がいなければ成り立ちません。運営側にいると、患者目線で物事を見るのが難しくなります。
患者のためを思って実施していても、実際は患者に寄り添えていないというケースは少なくありません。
患者の希望に沿ったサービスが提供できていないと、信頼が徐々に失われていくでしょう。
患者に信頼される医療機関になるためには、医療従事者の評価だけでなく患者の評価も重視する必要があります。
患者からのフィードバックを反映させていけば、患者の信頼獲得につながっていくでしょう。
患者満足度をもとに改善していき、信頼される医療機関にしていきましょう。
病院の医療の質の評価にもつながる
患者満足度は、医療の質の評価にもつながります。
医療の質向上のために、厚生労働省は2010年から「医療の質の評価・公表等事業」を開始しました。2016年度の医療の質指標に関する国内外レビュー及びより効果的な取組に関する研究では、「共通QIセット: 23種類の36指標」が提言されました。
共通QIセット: 23種類の36指標は、全国の医療機関で医療の質の測定と改善を実施するために作成された指標です。
この指標のなかに、入院患者満足度と外来患者満足度が入っています。
2017年度に、136病院に共通QIセットを測定してもらいアンケートを実施したところ、自院の質改善につながる指標として患者満足度が選ばれました。
このことから、医療機関の質の評価には患者満足度が重要であることがわかります。
参照:厚生労働省「医療の質の評価・公表について」
厚生労働省「厚生労働省科学研究研究班の報告について」
患者満足度の測り方・調査方法

患者満足度の測定と調査は、以下の流れで実施します。
- 患者向けアンケート作成
- アンケート実施
- アンケート収集
- データ集計
- データ分析
- 会議でデータ報告
- 経営改革の推進
一連の流れを実施するためには、専門の委員会や部署を設置したほうがいいでしょう。しかし、通常業務に加え患者満足度調査を行うのは、負担が大きくなるため注意が必要です。
患者満足度調査を行う際は、アウトソーシングを利用するのも1つの方法です。アウトソーシングは、アンケート作成からデータ集計まで実施してもらえるため、従業員の負担軽減につながります。公益財団法人日本医療機能評価機構が実施している「患者満足度・職員やりがい度活用支援プログラム」には、2024年2月29日時点で400の医療機関が参加しています。
参照:全日本病院協会「満足度向上への取り組み」
公益財団法人日本医療機能評価機構「患者満足度・職員やりがい度活用支援プログラム 参加病院リスト」
患者満足度の向上が病院経営に与えるメリットとは?

患者満足度が向上すると、下記3つのメリットが得られます。
- 口コミや評価の改善による患者数の増加
- 再来院の患者の増加
- スタッフのやりがいにつながる
それぞれのメリットについて、解説します。
口コミや評価の改善による患者数の増加
患者満足度の向上によって、口コミや評価が良くなると患者数の増加が期待できます。
情報社会である現代では、インターネット検索で医療機関を探す方がほとんどです。医療機関をまとめているサイトやGoogleマップなどに必ず表示されている口コミと評価は、医療機関選びの重要なポイントです。
口コミや評価が高いと、患者から選ばれる確率が高くなり患者数が増加する可能性があります。
口コミや評価は、実際に利用した患者の意見が反映されています。そのため、口コミや評価を改善するためには、患者満足度の向上が必要です。
患者満足度向上によって患者数が増加すれば、収入アップが見込めるため医療機関経営の大きなメリットとなるでしょう。
再来院の患者の増加
患者満足度が向上すると、再来院の患者が増加するでしょう。
患者満足度が高いと、信頼できる医療機関だと判断され再来院されやすくなります。かかりつけ医として頼りにしてもらえたら、安定した収入につながるでしょう。
また、患者満足度が高いと再診率が高くなったり、他者への紹介(口コミ)を積極的に行うようになるといわれています。
患者満足度に関連する調査分析によると、医療効果と医師の思いやり、看護師の対応、待ち時間などが継続受診の意思に影響するといわれています。
医療効果や医療従事者の対応が評価されれば、それだけ再来院の患者が増える可能性があります。
再来院患者を増加させて安定した収入を獲得するために、患者満足度の向上は重要です。
参照:早瀬良,坂田桐子,高口央「患者満足度を規定する要因の検討ー医療従事者の職種間協力に着目してー」
厚生労働省「病院における患者満足度向上への取り組み」
スタッフのやりがいにつながる
スタッフのやりがいにつながる場合もあるため、患者満足度の向上は医療機関経営のメリットとなります。
患者満足度が向上し、ポジティブな意見をもらえるとスタッフのモチベーションにつながります。また、評価の高い医療機関で働いているという誇りを持てるため、やりがいを感じられるでしょう。
スタッフのモチベーションややりがいが高まると、質の高いサービスが提供でき患者満足度の向上につながります。患者満足度が向上すると、収入アップが期待できます。
このように、患者満足度の向上は好循環をもたらすのです。
しかし、患者からのすべての意見を取り入れようとするとスタッフの負担が増加してしまうおそれがあるため、スタッフ側の意見も必ず聞き、改善をしていきましょう。
患者満足度を向上させるための対策4選

患者満足度を向上させるために、4つの対策を紹介します。
- デジタルツールの活用
- 患者とのコミュニケーションの改善
- 医療従事者間の連携強化
- 施設環境の改善
各対策法を詳しくみていきましょう。
デジタルツールの活用
患者満足度を向上させるために、デジタルツールを活用しましょう。
診察や会計までの待ち時間の長さや呼び出し方法に対して、不満を抱えている患者は多い傾向にあります。
特に、外来患者は受付や待合室での待ち時間の長さを問題に挙げている場合が多くあります。
患者の不満を解消するため、以下のようなデジタルツールを活用するといいでしょう。
- Web予約
- Web問診
- 電子カルテ
- 自動会計システム
- キャッシュレス決済システム
デジタルツールの活用によって、ひとつひとつの作業のスピードが早まり時間短縮につながります。時間短縮ができれば、診察や会計までの待ち時間も短くなり患者の不満も解消されるでしょう。
また、高齢患者はデジタルツールに不慣れな場合があるのでサポート体制も合わせて整える必要があります。
参照:厚生労働省「病院における患者満足度向上への取り組み」
患者とのコミュニケーションの改善
患者とのコミュニケーションの改善は、患者満足度を高める方法の1つです。
患者は、治療の効果を望むだけでなく、コミュニケーションの充実も求めています。医師との関係において、わかりやすい説明や訴えを親身に聞いてくれる姿勢が満足度に影響する最重要因子として挙げられています。
これは医師だけでなく他の医療従事者にも当てはまり、良好なコミュニケーションが患者満足度の向上に重要だといえます。
患者とコミュニケーションをとる際は、わかりやすい説明をしたり、目を合わせて話をしたりと丁寧な対応を意識しましょう。
また、医療機関でコミュニケーション方法を統一できるよう、マニュアル整備や研修を行うことも大切です。
参照:村田小百合「患者満足から導き出される医師に期待される行動要件―医師への本質的期待行動の検証―」
医療従事者間の連携強化
医療従事者間の連携強化も、患者満足度の向上に重要です。
患者満足度の向上には、医療従事者と患者のコミュニケーションだけでなく、医療従事者間の連携も関与しています。
人によって言うことが異なる状態だと、患者の満足度は低くなる傾向にあります。
また、連携していたとしても、患者に連携体制が伝わらないと満足度の向上にはつながりません。
そのため、他職種から情報共有されている点や迅速に他職種と連携できる点をアピールしましょう。
加えて、医療従事者間の連携強化によって専門的で質の高い医療の提供が可能となり、患者満足度の向上が期待できます。
定期的なカンファレンスやデジタルツールを活用して、患者に合った適切な治療を提供するようにしましょう。
参照:早瀬良,坂田桐子,高口央「患者満足度を規定する要因の検討ー医療従事者の職種間協力に着目してー」
施設環境の改善
患者満足度を向上するために、施設の環境を改善しましょう。
患者は、医療の質やコミュニケーションだけでなく施設環境も重視します。
特に、外来患者は医師や看護師の対応と同じくらい施設環境が満足度に影響を与えています。
また、入院・外来ともに病棟・病室の空調や清潔感に問題を感じている患者が多いようです。なかでも、トイレの清潔感を気にする患者が多い傾向にあります。
院内清掃を定期的に実施し清潔な状態を保てるようにしたり、空調による乾燥を防ぐために加湿器を配置したりと施設環境を整えるようにしましょう。
全員が快適に過ごせるような環境に整えるのは難しいですが、できるだけ多くの患者が安心して快適に過ごせるように改善していけば、患者満足度が向上していくでしょう。
参照:厚生労働省「病院における患者満足度向上への取り組み」
患者満足度を向上させて選ばれ続ける医療機関に

患者満足度の重要性、患者満足度の向上が経営に与えるメリット、患者満足度を向上させる方法について解説しました。
患者満足度は、医療機関の経営において重要な指標です。患者満足度が高いと信頼度が上がり、患者数が増加したりスタッフのやりがいにつながったりと経営にプラスに働きます。そのため、患者満足度が向上するように改善していく必要があります。
本記事で解説した対策法を参考にし、患者満足度の高い医療機関を目指しましょう。
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