訪問看護の業務改善はどう進める?具体的ステップとメリットを解説
2025.05.31
2025.05.31

「より質の高い看護サービスを提供するために、業務改革を進めたい」
「訪問看護で業務改善を行うには、具体的にどうすればいい?」
このように、訪問看護における業務改善に関心を持つ医療機関は多いのではないでしょうか。
質の高い訪問看護サービスを提供し続けるためには、現場の課題を見つけ出し、業務改善に取り組むことが欠かせません。
本記事では、訪問看護における業務改善のメリットや、具体的な進め方をステップごとにわかりやすく解説します。
スタッフの負担を軽減し、よりよいサービス提供を目指す医療機関の方は、ぜひ参考にしてください。
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訪問看護における業務改善とは?

業務改善とは、日々の業務全体を見直し、よりよい状態にすることです。
訪問看護における業務改善では、単に業務を早く終わらせることが目的ではなく、看護サービスの質を維持・向上させることが大切です。
そのためには、業務全体のフローを把握し、負担が集中している作業や、無駄が生じている部分を洗い出すことが欠かせません。
現状の課題を明確にしながら、業務内容を着実に見直していくことが、よりよいサービス提供へとつながります。
訪問看護で業務改善が必要な理由

高齢化社会が進むなかで、今後訪問看護のニーズは高まってくると考えられています。しかし、一方で深刻な看護師不足も課題となっており、現場ではスタッフへの負担増加が懸念されているのが現状です。
このような背景から、看護師が安心して長く働き続けられる職場環境を整えるには、業務改善への取り組みが極めて重要になります。
そして、業務改善は、働きやすい環境をつくることでスタッフの定着率向上につながります。さらに、限られた人員でも質の高いサービスを提供できる体制づくりにも大きく貢献するでしょう。
訪問看護で業務改善を進めるための5ステップ

訪問看護の現場で業務改善を進めたいと考えていても、「どこから手をつけてよいのかわからない」という医療機関も多いのではないでしょうか。
ここからは、厚生労働省が公表している「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」をもとに、業務改善を進めるための基本的な5ステップを紹介します。
- ステップ1:事前準備・目的の明確化
- ステップ2:現状把握・課題の抽出
- ステップ3:課題分析
- ステップ4:優先的に取り組む課題と方向性を決める
- ステップ5:課題解決に向けた実行
- ステップ6: 業務改善の評価を行う
この手順を参考にしながら、自施設に合った改善活動を進めていきましょう。
ステップ1:事前準備・目的の明確化
業務改善に取り組む前に、まずはプロジェクトチームを立ち上げ、リーダーや担当者を決定するなどの事前準備を行いましょう。
あわせて、業務改善に取り組む目的や意義を全スタッフに共有し、組織全体での共通認識を持つことが重要です。
ステップ2:現状把握・課題の抽出
業務改善を進めるには、まず職場の現状を把握し、課題を特定することが重要です。
また、現状把握と課題の抽出をするために、定性面・定量面から情報収集をしていきます。
< 定性面からの情報収集>
職員へのヒアリングなどを通じて、業務上の困りごとや課題の、質的な情報を集めましょう。これにより、数値では見えにくい課題を把握できます。
具体的には、以下の点を整理するとよいでしょう。
- 業務内容: どのような業務を行っているか
- 職種: 誰がその業務を担当しているか
- 現状: その業務における現在の状況や感じていること
- 課題: 具体的にどのような問題が発生しているか
【定性面の情報収集例】
業務内容 | 職種 | 現状 | 課題 |
訪問看護サービスの提供 | 看護師 | 看護師のミスが多い | ・報告・連絡・相談が抜けてしまうことが多い |
訪問看護サービスの提供 | 看護師 | 看護師によってスキルの差が大きい | ・一部の看護師にしか頼れない仕事が多い・シフトの調整が難しい |
記録 | 看護師 | 抜け漏れや記載ミスが多い | ・紙で記録をとっている |
<定量面からの情報収集>
職員が各業務にどれくらいの時間を費やしているのかを、「見える化(業務の内容や時間を可視化すること)」し、数値として客観的に把握します。
こうしたデータを活用すれば、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を特定しやすくなり、改善すべきポイントを明確にできます。
確認の流れは、以下のステップで進めましょう。
- 事業所全体で、職員の時間の使い方を把握する
- 誰がどの業務にどの程度の時間をかけているのかを見える化する
- 現在の業務で「ムリ(業務の内容に無理が生じている状態)」「ムダ(無駄な業務が生じている状態)」「ムラ(担当者によって業務にムラが生じている状態)」がないかを明らかにする
ステップ3:課題分析
次のステップとして、抽出した課題を整理し、病院や訪問看護ステーションが抱える根本的な課題を分析していきます。
課題分析をする際には、似たような課題をまとめてグループ化します。
【課題グループ化の例】
<休めない>
休憩時間がとれない
残業が多い
有給休暇が取りにくい
次に、グループ化した課題が生じる原因について「なぜ?」を掘り下げて、根本的な原因を探っていきます。
【根本原因特定への思考例】
課題:休めない
原因は何か?→ ゆとりがない
なぜ、ゆとりがないのか?→ 人員不足・上司に相談できる環境じゃない・新人教育ができていない、など
このように、抽出した課題を元に根本の原因を探っていきましょう。
ステップ4:優先的に取り組む課題と方針を決める
分析結果をもとに、優先的に改善すべき課題を選定します。
次に、選定した課題をどのような方針で解決していくのか、プロジェクトチームで話し合いましょう。
あわせて、今後の具体的な取り組み内容やスケジュールを整理し、担当者や役割分担も明確にしておくことが大切です。
ステップ5:課題解決に向けた実行
今後の方針が決まったら、いよいよ具体的な解決策を実行に移します。
ただし、長期的な取り組みは途中でモチベーションが低下しやすいので、まずは3ヵ月程度の期間を設定し、集中して取り組むことがおすすめです。
期間内に達成可能な具体的な目標と行動計画を立て、それに沿って実行していくことが大切です。
また、実行期間中に疑問点や新たな課題が生じた場合は、業務改善の責任者を中心としたチームで意見を集約し柔軟に対応していきましょう。
ステップ6: 業務改善の評価を行う
業務改善の取り組みは、実行して終わりではありません。実際に行った活動がどれほどの効果を生んだのかをきちんと振り返り、評価をすることが重要です。
まずは、設定した目標に対して、どの程度達成できたのかを確認しましょう。
結果だけでなく、目標達成に至るまでのプロセスにどのような変化があったのかも合わせて見ていくことが大切です。
さらに、今回の取り組みで浮かび上がった新たな課題や改善のヒントをもとに、次に取り組むべき業務改善の内容を検討していきましょう。
訪問看護で業務改善を行うメリット

訪問看護で業務改善を行うメリットはいくつかあります。
ここでは、看護施設で業務改善をするメリット4つを紹介します。
- 看護師の負担が軽減される
- 人件費の削減につながる
- 看護サービスの質が向上する
- 働きやすい職場環境が整う
それぞれメリットについて、詳しく解説していきます。
看護師の負担が軽減される
業務改善で作業を効率化できれば、看護師の心身の負担を大きく減らせます。
訪問看護の看護師は、利用者さんへのケアはもちろん、記録作成など幅広い業務をこなしています。そのため、心身ともに疲れを感じている方も少なくありません。
業務の無駄をなくし、効率的に仕事を進められるようになれば、看護師一人ひとりの負担が減り、気持ちにゆとりを持って働けるようになるでしょう。
人件費を削減できる
業務改善によって、人件費の削減も期待できます。
例えば、無駄な業務を見直すことで、残業や休日出勤の発生を抑えることができれば、結果として不要な人件費を減らすことが可能です。
さらに、作業の効率化が進めば、限られた人員でも、看護の質を落とさず安定したにサービス提供ができる体制づくりが期待できます。
働きやすい職場づくりにつながる
業務改善は、スタッフにとって働きやすい職場環境の実現にもつながります。
例えば、残業や休日出勤が減ることで、プライベートの時間を確保しやすくなり、ワークライフバランスの向上が期待できます。
さらに、時間的なゆとりが生まれると、心にも余裕がでてきて、職場全体の雰囲気がよくなるケースもあるでしょう。
スタッフにとって働きやすい環境づくりは、離職率の低下や人材の定着にもよい影響を与えます。
看護サービスの質が向上する
スタッフの負担が軽減されることは、看護サービスの質の向上にも大きく影響します。
業務改善によって時間に余裕が生まれれば、看護師はより利用者のケアに集中しやすくなります。
さらに、心にゆとりができることで、これまで見過ごされがちだった利用者の些細な変化にもやすくなるでしょう。
オンコール代行サービスの活用で訪問看護の業務改善

訪問看護の現場では、業務の効率化やスタッフの負担軽減を図りたいと考えるケースが多く見られます。
とくに、夜間や休日のオンコール対応は、看護師や医師にとって大きな負担となることがあります。
こうした課題への対策として、オンコール代行サービスを活用するのも有効な手段のひとつです。
オンコール業務を代行に任せることは、スタッフの負担を軽減し、安心して休暇を取れる環境づくりにつながります。
結果として、心身のストレスが軽減され、より働きやすい職場づくりが実現できるでしょう。
訪問看護の業務改善で働きやすい環境を実現

質の高い訪問看護サービスを提供し続けるためには、スタッフが心身ともに働きやすい環境を整える業務改善が不可欠です。
ぜひ、業務改善を通じて、スタッフが働きやすく、利用者さんにとっては最高のサービスを届けられる体制を築き上げていきましょう。
また、訪問看護の現場では、夜間や休日のオンコールが、スタッフにとって大きな負担となるケースが少なくありません。
ファストドクターでは、夜間休日の往診を解消するために、現場を知る往診医やスタッフが往診・オンコールをワンストップで代行します。低コストかつ低リスクで24時間体制を貴院とともに作り上げ、切れ目のない医療の提供が可能となります。
提携医療機関数は641機関を突破しており、委託患者数は93,700人以上、5都市6医師会と契約を結んでいます。多くの医療機関で導入されている実績があり、提携後、離職率や働き方の改善を実感していただいております。
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