東京都のインタビュー
2025.09.12
#常勤医の負担軽減
神経内科専門医による質の高い在宅医療~ファストドクターの導入で持続可能なクリニック運営へ~
愛知県犬山市にある「結ファミリークリニック」は、患者一人ひとりの希望に丁寧に寄り添いながら在宅診療を提供しているクリニックです。
院長の鈴木欣宏先生は、神経内科の専門医として、神経難病の専門的な治療にも対応。最新の知見を取り入れながら、質の高い在宅医療の提供に日々尽力しています。
また、同院では、往診に対応できる常勤医師が鈴木院長1人体制のため、土日の往診をメインにファストドクターを導入したそうです。
今回は、鈴木院長に「結ファミリークリニック」の強みや、ファストドクター導入による変化についてお話を伺いました。
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連携力を強みに、一人ひとりに寄り添う在宅医療
Q.結ファミリークリニックの強みを教えてください。
鈴木先生:当院の強みは、神経難病の進行期を専門的に診ている点です。神経難病は、進行すると病状が変化してきます。例えば、パーキンソン病では、外来へ通院できる時期はまだ歩けるためHoen-Yahr分類で1〜3度と軽症であり、運動症状が主症状です。
この時期は普通に動ける時間をできるだけ長くするため、さまざまな抗パーキンソン病薬を調整します。
しかし、在宅医療で診る方は通院することができない方が対象となるため、必然的にHoen-Yahr分類3~5度の重症の方を診ることになります。この時期は抗パーキンソン病薬が効きにくくなるだけでなく、幻覚、嚥下障害、転倒骨折など様々な合併症が出現してきます。
それらをコントロールするには、これまで運動症状の改善のために追加してきた薬剤を必要最低限に減らす一方で、適切な薬剤を追加するという難しい調整が求められます。
さらに内服調整だけでは十分に対応できないため、多職種の連携が必要になります。
幻覚に対しては訪問看護による家族指導、嚥下障害に対しては嚥下訓練できる言語聴覚士や訪問歯科、転倒骨折に対しては理学療法士と福祉用具などと連携しており、その連携をスムーズに進めるためにMedical Care StationというICTを利用し、迅速に情報共有できるようにしています。
また、日本在宅医療連合医学会の専門医を取得し、研修施設となっていることも強みの一つです。在宅医療はまだ歴史の浅い領域のため、つい我流に走ってしまう傾向があると感じています。
専門医を取得して学会に参加することで、標準的な在宅医療を行うことができていると思います。
Q.在宅医療以外に取り組んでいることはありますか?
鈴木先生:災害対策にも積極的に取り組んでおり、地震だけでなく水害や積雪、火災などあらゆる災害に対応できるようにBCP(事業継続計画)の策定に取り組んでいます。
また、緊急時に対応できるように安否コールというアプリを導入しています。
地域の啓発活動として、保健所や地域の老人会への講演活動も行っています。内容は在宅医療だけでなく、神経難病、人生会議、予防医学など様々なテーマに取り組んでいます。
Q.外来診療も行っているそうですね。
鈴木先生:
はい、月2回ではありますが、外来も行っています。神経難病の患者さんを診られる外来がこの地域には少ないため、まだ訪問診療が必要ではない早期の方の受け皿として、外来診療も行っています。
大切にしている診療の軸は守りつつ、頼れる部分はファストドクターの力を借りる
Q.どのような形でファーストドクターを利用されていますか?
鈴木先生:当院では、土日の往診をファストドクターに依頼しています。利用し始めてから約2年経過していますが、私自身の休みを確保し、継続できる運営体制の構築を目的として導入しました。
ファーストタッチはまず当院の看護師が電話を取って振り分けをします。当院はACPを大切にしているため、患者さん一人ひとりの価値観によっては、いきなり新しい医師が介入すると混乱される場合があります。
特にがんの方のように急激に症状が進行する場合には、患者さんに信頼されるために時間をかけて話をしているため、それを共有するのは困難です。
また、認知症の方は知らない人が家に入ってくるだけで混乱する場合があります。それを考慮して当院の看護師が振り分けを行います。特に看取りは患者さんとの関係性が何よりも大切なため、これまで依頼したことはありません。
Q.ファストドクターを導入したきっかけについて教えてください。
鈴木先生:当院は医師が常勤1人のため、負担軽減が不可欠で、代行往診サービスの導入を検討しました。
特に犬山市は愛知県でも端のため、対応してくれるところがありませんでしたが、ファストドクターさんに相談したところ、対応圏外にもかかわらず快く対応してくださいました。
Q.実際に利用してみて、ファストドクターの対応はどうでしたか?
鈴木先生:
ファストドクターの先生方は、皆さんしっかりと対応してくださいますし、事前の情報共有もモバカルという電子カルテで情報共有ができています。
患者さんからも「とても丁寧に対応してくれた」と伺っています。ただ、ファストドクターの先生が他の患者さんへの対応で遅れてしまう場合には、依頼してから診察までの時間がかかってしまうため、その時にはお断りして私が対応しています。
Q.ファストドクターを2年ほど利用されているとのことですが、医師の質に関してはいかがでしょうか。
鈴木先生:
質の高い先生方に対応していただいていると感じます。もちろん、当院では患者さんが大切にしている価値観に基づいて診療を提供しているため、代わりに診察していただくことの難しさはあると思います。
一方で、発熱や腹痛など緊急対応が必要な疾患への対応は、ファストドクターに安心して依頼できています。
持続可能なクリニックを実現するためにファストドクターが貢献
Q.ファストドクターを導入前に抱えていた不安や、導入後の変化を教えてください。
鈴木先生:
1番の不安は、私の知らない医師が患者さんを診ることでした。しかし、実際に導入してみて、今のところ患者さんからの評判は悪くはないので、安心して任せられています。
私に話を聞いてほしいという患者さんの場合には、非常勤の医師だとお断りされることもありますが、全体としては、ファストドクターを導入したことで負担はかなり軽くなりました。
たとえば、休みが取れるようになったので、 体力が回復して、平日の診察に集中できるようになりました。家族との時間を持てるようになったことも、導入してよかった点のひとつです。
Q.今後の目標には、どのようなものがありますか?
鈴木先生:
当院では、今年度の目標に「持続可能」を掲げています。
これは、自分自身が体力的にも無理なく診療を続けていけるようにとの意味も込めていますし、災害が発生した際にもちゃんと継続できるような医療体制を整えておくことの意味を込めたものです。
さらに、スタッフの入れ替えがある場合にも、業務の引き継ぎがスムーズに行えるよう、業務の言語化などにも取り組む必要があると感じています。
単にクリニックの規模を拡大することが目的ではなく、質を維持しながら、スタッフ一人ひとりが負担なく働き続けられる体制を整えていきたいです。その一環として、AIの導入やタスクシフトといった仕組みも、積極的に活用していくつもりです。
医師・クリニックが共存していく時代に向けて
Q.最後に、メッセージをお願いします。
鈴木先生:
これからは、医者やクリニック同士が争う時代ではなく、共生していく時代だと思っています。 お互いに協力しながら、医療の質を高め、同時に現場の負担を減らしていけることが理想です。
そうした新しい形を作っていくことが、在宅医療や診療所などさまざまなところで、今後ますます求められてくるのではないでしょうか。
そのなかで、ファストドクターのような往診代行サービスが、今後の医療にとって欠かせない存在になっていくと感じています。
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2025.08.13
#常勤医の負担軽減
患者様や家族への寄り添いを大切に~アットホームな医療を叶えるファストドクターの存在~
東京と荒川区にある「健康長寿ゆずるクリニック」は、約10年外科医として研鑽を積んできた渡邊譲院長が、地域の方々に寄り添う医療を目指して開業した訪問診療のクリニックです。
同院では、患者様やご家族との関係づくりを大切にし、栄養士による栄養指導を行うなど、自宅だからこそ可能な医療のかたちを実践しています。
とはいえ、医師は渡邊院長1人体制のため、依頼が重なった際や夜間・休日の対応に備えたバックアップ体制として、ファストドクターを導入をしています。
今回は、渡邊院長に「健康長寿ゆずるクリニックの強み」や特色、そしてファストドクターの導入による変化について伺いました。
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訪問診療だからこそできる医療の形を提供
Q.まずはクリニックについてと、開業に至った経緯を教えてください。
渡邊先生:
2021年に荒川区で訪問診療専門のクリニックを開業しました。現在は、荒川区や足立区を中心に、訪問診療を行っています。また、医師は私1人、看護師2人と医療事務1人の体制で運営しています。
私はもともと外科医として、約10年間大学病院で勤務し、主に手術や、がん患者様の治療を担当していました。そのなかで、病室を訪れて患者様のお話を聞きながら、気持ちに寄り添う時間が、自分にとっても大切な時間だったと感じています。
また、訪問診療に出会ったのは今から5年ほど前のことです。実際に訪問診療に携わってみて、患者様やご家族とゆっくり話をしながら、最適な治療方針を一緒に考えていく診療スタイルに魅力を感じ、自分に合っていると実感しました。そして、縁あって荒川区で訪問診療のクリニックを開院するに至りました。
Q.クリニックの特色や在宅診療だからできることはありますか?
渡邊先生:
当院では、栄養士をクリニックで雇用し、治療に介入してもらっています。また、ご希望があれば、栄養士による食事指導も行っています。
一般的な外来診療では、病名に対して薬を出すことが基本です。ただ、訪問診療で実際に自宅に伺うと、患者様が本当は薬を飲んでないことに気づくこともあります。
また、食事の改善や、リハビリにより状態がよくなるケースも多く、自宅での生活習慣の大切さが分かりました。そのため、当院ではご家族がいる方を中心に、栄養士が症状に合わせた食事の提案を行っています。
病院では何かあったときのことを考慮して、患者様の症状によっては、飲みたい物を飲んだり、行きたい場所に行ったりといった希望を叶えてあげられないことも多いです。
一方、訪問診療ではご家族と直接お会いする機会が多く、信頼関係を築きやすい環境にあります。そのため、病院では難しいとされる選択肢でも、病状悪化のリスクを丁寧にご説明したうえで、「それでも本人の希望を尊重したい」というご家族の理解を得られれば、患者さんの意志を優先した対応が可能になることがあります。
その結果、「最期に本人の希望を叶えてあげることができてよかった」と、ご家族から感謝の言葉をいただくこともありました。在宅診療だからこそ、患者様の希望に寄り添った対応ができることも多いなと感じています。
Q.クリニックの強みを教えてください。
渡邊先生:
当院の強みは、こじんまりとしたクリニックだからこそ、患者様に寄り添った対応ができる点だと考えています。大手のクリニックでは、訪問ごとに別の医師が来ることがあるため、それを負担に感じる方もいます。実際に「毎回病状を聞かれるのがストレス」だと感じ、当院に医療機関を変更してくる方も少なくありません。
その点、当院は医師1人の体制のため、基本的に私が継続して診療を担当しています。患者様からも、顔なじみの関係になることでお願いがしやすいとの声もいただいています。規模が小さいことは、一見弱みのようにもみえるかもしれませんが、実は訪問診療だと強みにもなるんです。
Q.初回の面談で大切にしていることはありますか?
渡邊先生:
当院では、最初に「本当に自宅で看ることが可能かどうか」を丁寧に確認することを大切にしています。きちんと確認することが、ご家族の安心にもつながるからです。
実際、自宅で看ることは大変なことも多いです。私たち医師や看護師が一日に何度か訪問することはできても、どうしてもご家族が対応しなければいけない場面もあります。
そのため、患者様本人が自宅に帰りたいと希望されていても、ご家族の状況や負担、周囲のサポート体制などをしっかり確認しながら、本当に自宅で看れるかどうかを一緒に考えるようにしています。
いざというときのバックアップ体制として、ファストドクターを活用
Q.ファストドクターをどのように活用していますか?
渡邊先生:
当院では、基本的に私が診療の対応をしていますが、夜間や休日や往診が重なった際のバックアップ体制として、ファストドクターを活用しています。
また、患者様に不安を感じさせないよう、往診の依頼電話は必ず私自身で取るようにし、私からファストドクターにお願いする流れをとっています。
そして、ファストドクターに依頼する際には、事前にその旨を患者様に説明し、安心してもらえるよう努めています。その後の具体的な診療時間などについては、患者様とファストドクターの間で直接やり取りしてもらう形です。
なお、緊急性の高いケースでは、私の方で直接救急搬送を手配するため、ファストドクターには基本的にご自宅で安静にお待ちいただける患者様の対応をお願いしています。
Q.ファストドクターを導入したことで患者様から不安の声はありましたか?評判を教えてください。
渡邊先生:
今のところ、特に不安の声はありません。患者様からは実際に、「ファストドクターの先生にしっかり話を聞いてもらえた」「その場で薬をもらえたのが本当にありがたかった」といったお声がありました。ファストドクターは、薬の取り揃えが充実しているため、その点も安心感につながっていると感じます。
また、ファストドクターの医師は、患者様の状態に応じて、在宅での経過観察にとどまらず、必要と判断すれば速やかに病院へ搬送してくれます。
こうした対応も、患者様やご家族からの信頼につながっていると感じました。在宅診療では、ご家族が「病院に連れていったほうがいいのか」と不安を抱えることも多いのですが、そうしたときに医師が明確に判断してくれることに対しても、ありがたく思ってもらえているようです。
Q.ファストドクター導入前の状況はどうでしたか?
渡邊先生:
導入前は、往診の依頼が重ならないかと、常に緊張感を持ちながら対応していました。そのため、現在は、何かあった際にファストドクターを活用できることが、安心感につながっています。
在宅診療の場合、多くの訪問看護ステーションとも連携させていただき、訪問看護師様の対応もしていただいておりますが、医師でないと対応が難しいケースや、「医師に来てほしい」というご希望がある場合もあります。そういったときにファストドクターに対応していただけるのは、本当に心強い存在です。
実は、ファストドクターを導入する前には、別の往診代行サービスを利用していたこともありました。
Q.なぜ他社からファストドクターに乗り換えたのでしょうか?
渡邊先生:
ファストドクターに乗り換えた大きな理由は、コストを踏まえたうえで、提供されるサービス内容に魅力を感じたからです。
また、私自身が開業前からファストドクターで医師として勤務していた経験があることも、理由のひとつです。開業当初は患者様がゼロからのスタートのため、時間に余裕がある時期には、ファストドクターの医師として夜間に勤務することもありました。
私の場合、日中は自分のクリニック、夜はファストドクターという働き方を通じて、収入面でも余裕を持ちながら開業をスタートすることができました。東京で開業を検討している医師にとっては、ファストドクターで勤務医としても携われる環境があることは、大きなメリットだと思います。
ファストドクターの活用で、患者様に寄り添うアットホームなクリニックを実現していく
Q.実際に導入してみて、ファストドクターのサービス内容はどうでしたか?
渡邊先生:
実際に利用してみて、ファストドクターは薬の取り扱いが充実しており、電話対応も丁寧だと感じました。電話は基本的にオペレーターの方が対応してくれるので、電話をかける側にとっても安心感があると思います。医師の質やスピード面にも、特に不満はありません。
ただ、もし可能であれば、もう少し早く対応してもらえると、さらによいサービスになるとも感じます。
また、何かあった際に頼れる体制があることで、精神的な不安も軽減しました。費用面でも負担にならずに利用できています。
さらに、ファストドクターにはさまざまな専門分野の医師が在籍しているため、自分では気づかなかった視点からのコメントが得られることがあり、学びの機会にもなっています。
また、私は今のところ他の医師を雇う予定はないため、ファストドクターを活用することで、自分ひとりでも診療体制を維持できている点も、とてもありがたいです。
ファストドクターを活用し、今後どのようなクリニックを目指していきたいですか?
渡邊先生:
あまりクリニックを大きくしようとは考えていませんが、長年続けていると少しずつ患者様が増えてきます。そのため、特に、夜間や休日など、どうしても一人で対応しきれない部分をファストドクターにサポートしてもらいながら、無理なく患者様を増やしていけたらいいなと考えています。
また、できるだけ依頼をお断りすることなく、対応していきたいという気持ちもあるので、これからそんな体制を整えていければと考えています。
今後高まる在宅診療のニーズを支える、重要なサービスになっていく
今後ファストドクターを導入したいと考えている方に向けてメッセージをお願いします。
渡邊先生:
ファストドクターは、医師の質も高く、料金も良心的です。薬もちゃんと届けてもらえるので、私としては多くのクリニックに広めていきたいサービスです。
今後、2045年ごろまでは高齢者の人口が増えると言われており、訪問診療のニーズはさらに高まってくると思います。そうしたなかで、夜間・休日といった時間帯を支えるファストドクターのようなサービスは、ますます重要になってくるはずです。
そして、多くのクリニックでファストドクターを活用することで、サービスの質もさらに上がり、在籍している医師も増えて訪問までの時間も短くなっていくのではないかと感じます。ぜひ皆さんで利用して、一緒に訪問診療を盛り上げていってもらえたらうれしいです。
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