患者さまの”生涯かかりつけ診療所”を目指すために ~ニーズにマッチした質の高い往診サポートを実行~
公開日: 2024.08.08
更新日: 2024.10.05

医療機関プロフィール
病院名 | 医療法人社団かけはし東小金井小児神経・脳神経内科クリニック |
住所 | 東京都小金井市梶野町5-3-6 東小金井フラワーメディカルモール 201 |
対応可能な在宅医療 | 在宅人工呼吸器(排痰補助装置含む) 在宅酸素療法 気管切開の管理(気管カニューレの交換を含む) 在宅経管栄養(胃瘻の交換を含む) 在宅自己導尿 てんかん 痙縮治療 |
診療時間 | 9:00〜17:30 |
HP | https://higako.kakehashi-mc.jp/ |

東小金井小児神経・脳神経内科クリニックは、患者さまの往診のニーズに応えられていない課題がありました。神経疾患の患者さまへの適切な医療の提供を目的としてファストドクターを導入し、夜間休日の在宅医療の体制作りに成功しています。
今回は「東小金井小児神経・脳神経内科クリニック」の院長である生田陽二さまに、ファストドクター導入後の患者さまの反応やどのような不安を抱えていたのか、ファストドクターに関するさまざまなお話を伺いました。
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Q.素敵な待合室ですね! クリニックの内観にこだわりはありますか?

東小金井小児神経・脳神経内科クリニック院長 生田 陽二さま(以下、生田さま):
クリニックの内観は、通院中の患者さまが安心して通えるようにこだわっています。
当クリニックでは、てんかんや小児期発症の神経疾患など、少し特殊な診療科目を扱っているので、障害が重たく通院が大変な方ばかりです。なので、少しでもクリニックに足を運びたくなるような、ワクワクできる内観を目指して設計を依頼しました。
待合室に貼られている折り紙を駆使した展示物は、診察を待つ患者さまが折ったり色鉛筆で塗ったりしたものです。

今は夏なので、海の生き物がテーマです。7月は七夕があるので、短冊を書いてもらいました。5月は子供の日に関連付けて鯉のぼり、12月はクリスマスツリーの装飾など、季節ごとに楽しんでいただけるよう工夫しています。
Q.診療以外にもさまざまな取り組みを実施していると伺いました。具体的にはどのような活動をされていますか?

生田さま:
現在は、院外でさまざまな交流イベントを実施しています。具体的には、去年の5月に教習所を貸切って、他の先生方と3人で講演会を行いましたね。講演会以外にも、子供たちに向けて教習所のコースでかけっこやスヌーズレンの体験をしてもらいました。
今年も11月に交流イベントを実施予定です。去年が大好評だったこともあり、さまざまな先生方にご協力いただけることが決まっています。
Q.東小金井小児神経・脳神経内科クリニックの患者さまの特徴をお聞かせください
生田さま:
私は、小児神経学とてんかん学を専門に診療しています。なので、患者さまはてんかんや小児期発症の神経疾患など、慢性疾患の方が対象です。完全予約制で、一般的な発熱などの症状はお断りしています。
外来診療では、7〜8割がてんかんの患者さまです。在宅では、約半数が周産期障害による脳性麻痺になります。
Q.東小金井小児神経・脳神経内科クリニックの理念はありますか?

生田さま:
当クリニックは”生涯かかりつけ診療所”を目指しています。一般的なかかりつけ医という言葉は、体調不良や病気が発症した際に、相談や受診をする決まった医療機関の意味合いで使用されているのが現状です。
しかし、私はかかりつけ医を「患者さまが生涯安心して暮らせるように、さまざまな医師との連携の旗振り役になる主治医」と考えています。
もちろん、普段体調不良になった際に相談できる”いわゆるかかりつけ医”も必要です。ですが、特に重症心身障害の方は、基礎疾患の専門家と併存疾患の専門家の所へ月に1回程度は、必ずコンスタントに通う必要があると考えています。
現在の治療を続けて問題ないか、見直す機会が必要なんです。多かれ少なかれ副作用のある薬を服用している方も多いので、辞められるのであれば辞めるべきですしね。
小児科年齢を超えても、小児期発症神経疾患の専門家としてかかわり続けて、患者さまが大人になっても良質な医療を継続して受けられるのが望ましいと、私は考えています。それこそが、私の目指す生涯かかりつけ診療所です。
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Q.在宅医療におけるクリニックの課題をお聞かせください
生田さま:
今も昔も、医師はほとんど私一人です。さらに、私の子供がまだ幼いので、在宅医療の24時間対応ができませんでした。なので、ファストドクター導入前は定期訪問だけ希望があれば受けていました。
ですが、患者さまのご家族から、やはり往診対応して欲しいとのお声はあったんです。相談された時は、小児であれば病院のかかりつけもあることが多いので、病院の救急外来や近くの内科に行ってくださいと説明していました。
患者さまのご家族からすれば、病院の発熱外来に行くのも大変ですし、少し見てほしいだけなのに外来に行くのは…という、モヤモヤがあったと思います。
普段、当クリニックでは発熱外来を実施していないので、往診に呼ばれても検査キットが用意できません。つまり、呼ばれても検査できない状態です。
患者さまのニーズは絶対に存在するのに、どうにか往診対応できないかと課題を感じていました。
Q.生田院長がファストドクターのサービスを知ったきっかけは何ですか?

生田さま:
患者さまの往診対応のニーズに応えるために、外注を検討してインターネットで検索したところ、ファストドクターの時間外往診サポートのサービスを見つけたのがきっかけです。
話を聞いてみようと問い合わせたら、その日の内にすぐ返信が来たのが印象に残っています(笑)。実際に話を聞いてみると、私と患者さまが求めているニーズとサービス内容が合っていると感じました。
具体的には、夜間と休日の対応をお願いできる点と、対応可能な診療科を事前にすり合わせできる点、医師の質の担保にかなり力を入れている点ですね。
やはり、当クリニックは外来の患者さまも含めて、少し難しい症状の方が多い傾向にあります。例えば、ドラベ症候群の患者さまで、早く対応しないと重積状態になってしまうケースです。
実際に、ドラベ症候群の患者さまで、ファストドクターのサービスを利用していた方がいました。なので、当クリニックの少し特殊な診療科目の患者さまでも診てくれるのかと、よい印象を持っていたこともあり信頼感はありましたね。
Q.実際にファストドクターを導入して患者さまの反応はいかがでしたか?
生田さま:
ファストドクターを導入したら皆さんすぐに活用し始めまして、ニーズは大いにあったんだなと改めて実感しました。患者さまへ往診サービスを案内する際に、ファストドクターであることを伝えたらサービスを知っている方も多く、安心されていたのを覚えています。
患者さまに話を聞くと、休日や夜間でクリニックに電話がつながらない時間帯は、やはり相談できないことを不安に感じていたようです。
また、当クリニックの患者さまは、人見知りで私以外の方に診てもらうことに慣れていない場合が多い傾向にあります。ですが、現段階では私以外の医師が対応したことによる大きなトラブルもありません。
サービス導入直後は、少し往診対応の医師とすり合わせをする必要はありましたが、現在では患者さまに非常に満足いただいています。
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Q.その他ファストドクターの導入で改善したことはありますか?

生田さま:
在宅医療の関係者にとって、ファストドクターを導入する最大のメリットは、精神的な安定の面だと思います。
全国には、一人の努力で成り立っている在宅医療も多かれ少なかれある中で、組織としてバックアップしていただける安心感はとても大きいです。医師を雇いながら、少人数で在宅医療を実施するよりも、さまざまなメリットがあると感じました。
医師を一人雇うと多くの費用がかかります。たとえ医師を一人雇ったとしても、24時間365日の往診対応は難しいですからね。患者さまの往診のニーズに応えられるようになったことで、私の肩の荷もだいぶ下りました。
また、当クリニックだと患者さまが往診を依頼するケースのほとんどは発熱です。先ほども話しましたが、発熱外来を実施していないので検査キットが用意できず、私が往診対応に行ってもニーズに応えられません。
なので、むしろファストドクターの医師が往診対応したほうが、患者さまのニーズとマッチしています。患者さまのニーズに応えられた安心感で私の精神的負担も減り、さまざまな課題が改善されました。
Q.ファストドクター導入前に感じていた不安はどのように解消されましたか?
生田さま:
やはり、当クリニックの患者さまは小児期発症の重度の方たちなので、小児医療や小児救急医療に携わっていた医師の方が、親和性が高いことは明らかです。なので、事前にこの内容はファストドクターに伝えていました。
在宅医療は高齢者の方を対象としているクリニックが多い中で、本当に小児期発症の患者さまの対応をしてもらえるだろうかという点が不安でしたね。
実際に導入してみて、大きなトラブルもなく何度も往診対応を活用している患者さまもいるので、今では不安なく安心しています。リピートしてご利用いただいているということは、満足度が高い証拠です。
その他、申し送り事項が丁寧に記載されているのも、安心している理由の一つになります。
Q.最後に、現在ファストドクターの導入を検討している在宅医療機関の担当者さまに向けて、メッセージをお聞かせください

生田さま:
夜間休日の往診対応に困っているクリニックは、十分にファストドクターを利用するメリットがあると考えています。往診の要請から素早く患者さまの所へ向かってくれるので、スピード感の面でもおすすめです。
ファストドクター以外にも時間外往診サポートのサービスは存在するので、在宅医療関係者の方は、さまざまなサービスを比較検討されていると思います。
もちろん、比較検討の際は費用面も大切ですが、重要なのは医師の質の高さです。今度もファストドクターの医師の質の高さを活用しながら、適切な医療を患者さまに休日夜間含めて届けられるように、共に伴走していきたいと考えています。
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